幅広い法人のお客様のIT戦略をヒューマンリソース×技術力でサポートするITソリューション事業では、1,100名を超える(2022年3月末時点)エンジニアが活躍しています。毎年多くの新卒社員が入社しており、2022年度は70名がITスペシャリスト職として入社しました!本記事では、今年度の新卒研修カリキュラムの紹介と、4月に行われた「ビジネス・ヒューマンスキル研修」の模様をレポートします!
- 研修は、安全を考慮した十分な距離を確保し、感染予防策を講じた上で、開催しています。
- 本ブログ内の一部写真は、撮影のため一時的にマスクを外しています。
■ITスペシャリスト職の新卒研修カリキュラムについて
今年度の研修カリキュラムの特色や全体像について、研修企画を担当するITS事業企画本部の井藤さんにお話を伺いました。
「4月から6月末の約3か月間にわたって行われるITスペシャリスト職の新卒研修では、全新入社員が受講する『ビジネス・ヒューマンスキル研修』と、インフラ、システム、アプリ開発エンジニア、それぞれの技術領域に分かれてテクニカルスキルの基礎を学ぶ『テクニカル研修』の2本立てで実施しています。『社会人としての自覚を持ち、業務で活用できる実践的なスキルと能力を身に着けることで、早期に戦力となる人財の育成』をゴールに、下記3点を目指す姿として掲げ、研修を進めています。」
●2022年度新卒研修における社員の“目指す姿”
【 フィロソフィ 】 KDDIフィロソフィを理解し実践していくことができる社員
~KDDI グループ社員としての模範となる行動を実践~
【 進化 】 自身に必要なスキルを考え、自ら学び、自ら進化していける社員
~お客様のために進化し更なる価値を創造~
【 価値 】 いま、自身が最大限発揮できる価値を提供できる社員
~その価値を提供していける社員であること~
「ビジネス・ヒューマンスキル研修では、新入社員が職場配属後に仕事への取組み方、他者とのかかわり方などの基本的な部分で、不安や迷いを感じないように、ビジネスマナーや仕事の知識を習得します。また、今後仕事において社内外のメンバーと協働してプロジェクトを推進するために必要となるヒューマンスキルや、多くの知識や情報を整理分析し、物事の本質を見極める能力である、コンセプチュアルスキルを伸ばし、配属後に即実践・即戦力としてそれらのスキルを使えるようになってもらうために、入門・基礎・実践と体系立てて研修を実施しています。」
【ビジネス・ヒューマンスキル研修体系図】
「特に、ITソリューション事業のエンジニアは仕事において社内外のメンバーと協働でプロジェクトを推進しながら、システム提案から要件定義、設計、システム構築など広範囲の業務に関わるため、ヒューマンスキルはテクニカルスキルと同様に重要なスキルと考えています。だからこそ、新入社員の時にじっくりと体系的に学んでもらいたいと思っています。」
ITS事業企画本部ITSHRM部ITS人財開発Gの井藤さん
■基礎から実践まで、ヒューマンスキルを体系的に学ぶ研修を取材!
KDDIの研修施設「LINK FOREST」で3日間にわたって行われたヒューマンスキル研修を取材。3クラスに分かれて、コミュニケ―ション・リーダーシップ・ロジカルシンキングをそれぞれ1日かけて学びます。今年度からクラスリーダー・サブリーダーが、出欠確認や周知事項の伝達などクラスの朝礼を取り仕切り、自律的なクラス運営を行うスタイルに!
クラスリーダーが連絡事項を周知(写真左)ペアになって身だしなみチェックを行います(写真右)
「コミュニケーション研修」では、仕事上で必要なコミュニケーションの在り方「正しく伝え、正しく理解してもらう」ために、論理的な話し方や4つのスキル「観る、聴く、話す、問う」について演習を通じて学びました。「伝える、聞く」をテーマにした演習では、前に投影された複数の図形が合わさったデザインを代表1名がチームメンバーに伝え、メンバーが紙に書くゲームにチャレンジ。図形の位置や大きさ、形を伝えますが、「大きい円を真ん中に書いてください」という指示一つをとっても、伝え手と聞き手にとっての「真ん中」や「大きい・小さい」などの基準や認識はそれぞれ違うもの。聞き手も「今のひし形の大きさは、最初に書いたひし形と大きさは一緒ですか?」など、齟齬を無くすための質問を行いながら図を完成させていきました。果たして結果はいかに・・・?!言葉だけで他者に正しく伝えることの難しさや認識のずれが無いか確認することの重要さを学んだようです。
代表1名が伝え手となり、聞き手に伝えます。1回目の反省を踏まえてチャレンジした2回目、かなりいい線いってます!
続いて、コミュニケーションタイプが異なる4人の人物へのインタビュー動画を視聴。仕事への姿勢や意見衝突した際の対応など、職場での立ち居振る舞いを話す動画を視聴し、全体の印象や、理解できる/できない点について主導型・感化型・慎重型・安定型の4タイプに分かれ、チーム毎に発表しました。動画を視聴しても、共感するポイントはタイプによって大きく異なり、同じタイプ同士のほうが共感度は高い傾向にありましたが、あるチームでは「(同じタイプの意見は)当たり前すぎて特にコメントが無い」という面白い意見も!演習の仕上げでは、自己と他者を理解したうえで、コミュニケーションの質を高めるためにどのような対応を取っていけばよいかをタイプ毎に議論し、さまざまなタイプの人と働くうえで相互に尊重し合う方法を学びました。
共感・理解できる点、理解できない点を発表。発表内容やそのプロセスも各タイプの傾向が出ていたと講師からコメントが
■チームビルディングとチームで仕事の成果をあげるための『リーダーシップ』を学ぶ!
「リーダーシップ研修」では、組織におけるリーダーシップを基礎から学び、自分自身のリーダーシップの傾向を把握したうえで、集団においてどのようにリーダーシップを発揮したら良いのかを演習を通じて学びました。講師からは最新のリーダーシップ論として、「昔は仕事の結果も出せて、マネジメント力抜群の万能型が組織において求められていましたが、市況の変化に対応する組織であるためには、リーダーだけがリーダーシップを発揮するのではなく、チームメンバーそれぞれが、得意なリーダーシップを発揮し、チームでカバーし合うことが重要」と解説があり、多くの新卒社員がこの新たなリーダーシップの在り方に共感をしていました。
演習ではチーム対抗戦で「同期のつながりをつくる企画作成」に挑みました。一通りの企画検討プロセスを体験することで、ニーズに基づくコンセプトの立案やまとめるスキルの向上を目指します。ここでも各々がリーダーシップを発揮。他チームへのヒアリングで必要な情報や意見を引き出す人、議論が行き詰まると新たな視点・切り口を提案する人、情報をまとめる人など、メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮しながら議論、企画にまとめ上げていきます。
私たちは同期の中でどのような存在でいたいのか、企画のミッション・アイデンティティを決めます
発表では、「エンジニアは一生勉強!」をコンセプトに、同期で相互に教え合いながらスキルとビジネス感覚を養う企画や誰でも参加しやすいボードゲームを通じた親睦会など、ニーズをふまえた楽しい企画が続々と!演習を通じて、チームで成果をあげるためにはどのように議論をすすめていけばよいのか、自身のリーダーシップの特性について実際のプロジェクトを通じて実感できたようでした。
同期のニーズをふまえた楽しそうで個性あふれる企画が!ぜひとも実現して欲しいです
■「カレーライスを作る」をロジカルツリーにすると?!ロジカルシンキングを活用した問題解決に挑む!
ロジカルシンキング研修では、帰納法や演繹法、PREP(プレップ)法、MECE(ミッシー/ミーシー)などのロジカルシンキングの基本から、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーなど、さまざまなロジカルシンキングのツールを学びました。演習では、「カレーライスを作る」という使命から、具体的な作業まで分解するロジックツリーにチームで挑戦!改めて考えるとさまざまな切り口が考えられるこのお題ですが、「用意」「調理」や「カレールーの準備」「ごはんの準備」など、HOWツリーを活用して抜け漏れなくツリーを組み立てられているチームもありました。講師からは、ロジックツリーの範囲を検討すること、切り口の種類を統一すること、同階層の切り口の粒度を合わせること、などがポイントとして挙げられました。
HOWツリーを駆使して「カレーライスをつくる」を要素分解!
もう一つ、ロジカルシンキングによる問題解決として、「環境問題」をテーマに状況を整理し、課題解決を検討する演習を行いました。あるべき姿から、問題の定義、原因、解決すべき課題、具体的な取組みまでGAP分析を用いて整理。メモを使い各自の考えを発散・グルーピングしながら考えを収束していく繰り返しで、多くのチームがかなり苦戦した様子でしたが、最終的には全てのチームが論理構造を可視化し、仕上げることができました。
問題を明確化し選択、原因の裏付けを行い解決策の策定までを行います。かなり複雑なピラミッド構造に!
新卒社員からは「話している過程でいろんな意見が出て、ここまで脱線して大丈夫かな。と思ったけど、改めてチームでまとめたものを見ると、結果的にきちんと考えが整理できていた」などの振り返りがありました。講師からは「考えの発散が充分だったチームは、実は収束していくのも早かったようです。脳の筋トレとも言われるロジカルシンキングですが、今後、仕事上でもプレゼン、報告書などでも使う場面も多いはずです。ぜひ仕事にも大いに活用してください」とフィードバックがありました。
こうして、さまざまな演習を通じて仕事を進めるうえで必要な知識、円滑なコミュニケーションなど多くを学び、議論し、実践した3日間。ハイレベルな内容となり、一度にすべてを習得するのは難しいかもしれませんが、これからの仕事のあらゆる場面で活用できることばかりですので、今回学んだことを振り返りながら実践していけたらよいですね!また、最後まで全員が高い集中力と主体的に学びを行った姿勢も素晴らしかったです。まだまだ研修は続きますが、頑張っていきましょう!
次回は~テクニカル研修編~を6月に公開予定。乞うご期待!
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