KDDIエボルバは、全国40拠点でコンタクトセンターを運営し、多くのスタッフが働いています。コンタクトセンターには、オペレーターはじめとしてさまざまな職種がありますが、チームマネジメントを行い、センターを支えるスーパーバイザー(以下:SV)は、特に重要なポジションです。
SVの業務は、業務手順の設計・マニュアル化、生産性データの管理・分析から提言、チームメンバーの育成・マインド面のケアなど多岐にわたります。
KDDIエボルバでは、そんな幅広い業務範囲を担うSVを、コンタクトセンターの”キーパーソン”であると考え、『成果を出す』をコンセプトにSVの育成やキャリアプラン策定に力を入れています。
2017年度から「エボルバ・スタンダード」をベースとした研修を開始し、『SVベーシック(初級)』『SVアドバンス(中級)』『SVプロフェッショナル(上級)』と3つの段階に分け、段階的に業務範囲を広げるとともにキャリアアップできる仕組みを設けています。
- エボルバ・スタンダード…高品質なサービスを構築・運用するための独自ガイドライン
ここからは、3つのSV研修の内容を実際の研修風景を交えながらご紹介します。
研修は、全国の参加者をオンラインでつないで実施しており、講義だけではなくディスカッションやロールプレイング、グループワークを多く取り入れています。また、普段関わる機会が少ない他拠点の社員たちとコミュニケーションを図ることができ、異なるセンターの取組みやナレッジを共有するための場にもなっています。
■初級編:SVベーシック研修
『SVベーシック研修』は、SVとしての基礎を固める研修です。
チームをマネジメントするため、まずはコンタクトセンターのSVとしての基礎知識をしっかりと身につける必要があります。「KPI」「コミュニケーション」「労務管理」「リスク管理」「HRM」など、コンタクトセンターのマネジメントに必要な内容を体系的に学習します。
「KPI」のカリキュラムでは、数値目標を設定・マネジメントする目的から、目標達成のための活動について学びます。
ディスカッションでは、自センターのKPIや達成のための取り組みなどを共有し、「その取り組みは効果がありそう!」「他のセンターも同じKPIを目標に設定していると思ってた!」と新たな気づきも生まれていました。また、研修講師からは「仕事で成果を出すことを意識してほしい!」という激励もあり、受講者の表情がグッと引き締まる場面もありました。
≪和やかな雰囲気の中にも気が引き締まる瞬間があります≫
「コミュニケーション」のカリキュラムでは、自分も相手も尊重する“相互尊重”のコミュニケーションについて学習します。
コミュニケーションにおける自身の課題を発見し、改善していくため、「ルールを守らないCStに、ルールを守るように伝える」というテーマでロールプレイングを実施しました。講師からは一方的に話すのではなく、双方向でコミュニケーションを取りながら「どうなってほしいか」を伝えることが重要とレクチャーがありました。
ロールプレイングを終えた受講者からは、「自分の考えや気持ちを伝えようとすると上手く言葉が出なかった」「少し言い回しを工夫するだけで配慮のある伝え方ができた!」など、研修という場で体感することで初めて認識できる自身の課題と成長への気づきが生まれていました。
《CSt役・SV役を決めてロールプレイング》
■中級編:SVアドバンス研修
SVベーシックで学んだ内容を発展させる『SVアドバンス研修』では、「CStやチームの目標達成という成果を生み出す」という視点が求められます。研修で主に学ぶのは「CStパフォーマンスマネジメント」「チームパフォーマンスマネジメント」「モニタリング&コーチング」についてです。
チームパフォーマンスマネジメントのカリキュラムでは、チーム目標を達成するための「計画」から「目標管理面談」、「週次・月次の活動」や「目標未達成の場合にすべきこと」までを学びます。
ケーススタディ形式で「目標未達成の事象と原因を探る」「原因を突き止めるために必要な情報が何かを考える」というテーマでグループワークが行われ、応答率や勤怠実績、定着率などの数値やデータを読み解くことを体感しました。
受講者からは「難しかったが、他者の意見を聞くことで視野が広がり柔軟に考えることができた」「とても実践的な内容だったので、業務内で活用できる自信がついた」と前向きな意見が挙がりました。
≪データをもとに数値やデータを読み解く≫
終日研修を受講したのち、事後課題と確認テストが行われます。事後課題では、チーム目標を達成するための一連の活動を自センターの業務の中で、実践的に行います。チームで設定しているKPI目標を達成するための活動サイクルを数か月に渡って実施したうえで、成果の確認とともに上長よりフィードバックを受け、上長のスキル評価と事後課題の修了、確認テストの合格をもって「SVアドバンス認定」となります。研修だけで終わらず、実務を通してスキルを定着させることで、成果を出すSVを目指していきます。
■上級編:SVプロフェッショナル研修
SV研修の最後になるのは、『SVプロフェッショナル研修』。
次のステップである「デスクマネージャー(以下:MGR)」へのキャリアアップを目指し、センター全体のマネジメントを意識したカリキュラムで構成しています。研修で学ぶのは「コンタクトセンターマネジメント」「採算マネジメント」「CRM」についてです。
これまでの研修から視座を上げて、よりお客様満足度を向上させるための運用フローの構築・より成果を上げることのできる人財育成の仕組みづくり・クライアントへの提案方法などを学びます。
ワークでは「センターの課題を改善することで得られるメリットを考える」「メリットをもとにクライアントへの業務改善提案を考える」というテーマに取り組みました。コンタクトセンターにおける業務効率化・品質向上の取り組みをいかにクライアントの事業貢献につなげるかというポイントで考えた結果は受講者同士で共有する時間が設けられ、互いにアドバイスを送り合う場面もありました。
≪各自の経験から成功事例を共有≫
またSVからMGRへのキャリアアップを目指すメンバーということもあり、講師からは業界の動向に関する情報が共有され、受講者は真剣な表情で聞き入っていました。
≪内容は高レベルでも雰囲気は明るく行います!≫
■研修講師の声~KDDIエボルバのSVに求めるコト~
《熱意を持って研修に臨んでいます》
<講師インタビュー>
Q:どのようなSVになってほしいですか?
A:会社が求める職務を理解し、主体的に行動するSVになることを期待しています。また「成果を出す」ことにこだわりを持ち、失敗を恐れず何事もチャレンジしてほしい。
ご自身のスキルアップやキャリアアップはもちろんですが、チームやセンター全体で成果を出せる仕組みと環境づくりに積極的に関わり提案することができるような人財育成を意識しています。
Q:研修の中で工夫していることはありますか?
A:SV経験者として、自身の体験談を交えて講義を行っています。成功事例だけではなく、失敗事例も共有をし、失敗が「ダメ」なことではなく、失敗から学び、次に活かしてほしいと伝えています。
研修の時間は、業務とは離れ、全国のSVと情報共有や意見交換をする良い機会です。交流によって視野を広げることができたり、気づきが得られるよう、ディスカッションやグループワークの時間を多めに取るようにしています。
Q:どのような思いを持って研修を実施していますか?
A:キャリアアップを目指す方のモチベーションアップと業務スキルの向上、両方をサポートできる研修にしたいと考えています。また、全国のSV同士がつながるのと同時に、講師もSVとつながる貴重な時間です。講師も含め参加する全員でコミュニケーションを多くとり、人と人とのつながりも大事にしたいと思っています。
『SVベーシック(初級)』『SVアドバンス(中級)』『SVプロフェッショナル(上級)』と3つの研修風景をご紹介しました。今後も段階的な研修・育成で社員のキャリアアップを実現するとともに、コンタクトセンターの核となるSVの育成を通じて、高品質なサービス提供を目指します。
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