アルティウスリンクの特例子会社「株式会社ビジネスプラス」では、障がいのある方が活躍できる業務の創出や、得意を伸ばした創作活動を仕事へと発展するさまざまな工夫によって、「知的」に特性があるスタッフの積極雇用を実現しています。
北海道・東京・沖縄にある5拠点で働くスタッフは約200人。事務サポート業務から、社員向け喫茶、オフィス清掃、ノベルティ制作、備品管理などで活躍しています。今回は、そんな200人全員が参加する『年賀状コンテスト』の取り組みと、2024年の年賀状デザインに選ばれた作品を発表します。
■応募倍率100倍!8年前から続くコンテストはスタッフの意欲・喜びに!
ビジネスプラスでは、2006年から紙漉きで作った再生紙をもとに年賀状を製作しています。当初は一般的な干支柄をデザインした年賀状を印刷していましたが、2016年に「来年の年賀状デザインは障がい者スタッフ達で描いてみては?」という声があがり、東京拠点のスタッフ達が年賀状デザインに挑戦。作品づくりを楽しんでいて「来年もやりたい」と意欲的なスタッフ達の声と、年賀状を受け取った方々からの好評を受けて、2017年にビジネスプラスの全員が参加する『年賀状イラストコンテスト』をスタートしました。
2024年のコンテストは、応募200作品の中から全国の各グループから選出した37作品を、アルティウスリンクとビジネスプラスの審査員による投票で選び、最優秀賞に輝いた2作品は、2社の年賀状に!
毎年、晩夏の頃からスタッフ達は「来年の干支はなんだっけ?」「どんな絵にしようかな?」と作品づくりに向けて参考資料や情報を集めてアイデアや下絵を描いたり、材料を用意したりと、仕事の合間を見つけてコンテストの応募準備を始めます。その姿はみんな真剣です。年賀状に選ばれるのは、応募倍率100倍の2作品という狭き門。スタッフ達はそれぞれの想いと創意工夫を作品に注いでいます。
そして、頑張った分、最優秀作品に選ばれたときの喜びは計り知れないほど大きくなり、共闘した仲間たちは「すごいね」「上手だね」「おめでとう」と選ばれたスタッフを讃えて、「来年こそ自分だ!」と創作意欲につなげています。
■2024年「辰年」の最優秀賞と受賞者の声
力強さを持つ権力の象徴ともされている「辰」の年は、力が溢れ活気づく一年になると言われています。最優秀賞に輝いたのは、そんな「活力」が感じられる2作品です。惜しくも年賀状には届かなかったものの優秀賞に選ばれた2作品とともに紹介します。
<『2024年・年賀状コンテスト受賞セレモニー』、受賞した4名のスタッフ>
- アルティウスリンク最優秀賞 北村さん
北村さんは、オフィス清掃と機密文書のシュレッダー業務を担当しています。
“ちぎり絵・貼り絵”のアイデアを取り入れた作品は、シュレッダー業務をしている中で思いついたそうです。製作期間はなんと7週間!複数の素材を組み合せた作品は、印刷しても立体感がでていました。
「紙を裁断しているときに、紙をちぎって貼ったら面白いな、他の人がやっていなそうなことをやってみたいなと思って挑戦しました。辰は、鋭い爪と角があって、火を噴きながら空を飛んでいるイメージがあったので、それを形にしました。厚めの色紙を辰の形になるようにちぎるのも大変でしたが、材料を探すのが一番大変でした。空の雲はふわふわとした材料を、細い髭は紐を、家にあるものから家族と一緒に探しました」
スタッフ達がデザインを手掛けるきっかけになった初年度から作品づくりを始めていた北村さんは、「毎回応募し続けて、今年、初めて選ばれました!すごく嬉しいです」と、喜びを爆発させていました。
- ビジネスプラス最優秀賞 川上さん
アルティウスリンクのオフィス内で喫茶業務を担当し、「出張販売の接客が仕事の中で一番楽しい」という川上さんの作品は、躍動感の中にも愛らしさとポップさが印象的な辰です。鋭い爪先には、病や災いを避けて願いが叶うとも言われる「如意宝珠(にょいほうじゅ)」も描かれています。
「辰ってどんな生き物なのかなと調べてみて、波のような形がイイなと思って下絵を描いて。好きな青色を塗ってから、辰に見えるように緑や黄色で色付けをして鱗のような模様を描きました。実家の年賀状も同じ絵で作ったので、会社と家の年賀状が同じ絵柄になって嬉しいです」
- 優秀賞 2作品
<左:アルティウスリンク優秀賞・大門さん、右:ビジネスプラス優秀賞・山本さん>
『アリティウスリンク優秀賞』は、強さの象徴や、願い事が叶う象徴などと言われる縁起物の「昇り龍」を描いた大門さんの作品です。猛々しく勢いのある様を描きながらも優雅さのあるピンクを配色するというアイデアで、優しい雰囲気に包まれています。「大型の掃除機を使うことが楽しい」という大門さんは、休憩室の清掃と、ジュースやコーヒーサーバーの洗浄業務を担当しています。
そして、『ビジネスプラス優秀賞』は、神話から抜け出したかのような辰の表情や造形の細部を、いくつもの緑色や線で表現した山本さんの作品です。山本さんは、紙漉きの原材料になる紙パックを溶解するミキサーを担当しています。「まだ慣れないこともあるけれど、もっと新しい業務を覚えていきたい」と意欲的!
――大門さん 「入賞して嬉しかったです!可愛いイラストになるようにピンク色を選びました」
――山本さん 「初入賞です。嬉しくて、職場のみんなと両親に話しました!色を重ね塗りしながら考えて、また色を重ねて考えて・・を繰り返して仕上げました」
受賞した皆さま、おめでとうございます。素敵な年賀状をありがとうございます!
アルティウスリンクとビジネスプラスは、これからもDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進するとともに、スタッフの活躍や職場の取り組みを発信してまいります。