KDDIエボルバは、第1回目に続き、2018年4月4日(水)~2018年4月6日(金)開催の「第2回AI・人工知能EXPO」に出展いたしました。展示会、特設会場で開催された公開セミナー、展示ブース内で開催したショートセミナーのレポートをご紹介いたします。
レポート目次
1.KDDIエボルバ展示ブース
KDDIエボルバブースでは、パネルやデジタルサイネージによる展示の他、ショートセミナーも多数実施。
業務効率化とCX向上を同時に実現できる「AIチャットボット」、スマートフォン上でお問合せメニューを選択できる「ビジュアルIVR」、コスト削減に貢献できる作業自動化ツール「RPA」などのサービスをご紹介しました。
金融を中心とした多くのお客様企業での導入実績※1とその効果は、皆様に大変ご関心をお寄せいただき、3日間で5,200名を超えるお客様にご来場いただきました。
前回は、「AI技術とは何か、どのように活用できるのか」といった情報収集を目的とするご来場者様が多い傾向にありましたが、今回は、AIチャットボットと有人チャットサポートの違いや効果的な活用方法、運用時のデータ連携、導入後のメンテナンスなどの質問がブース内で活発に飛び交い、導入を具体的に検討している企業の増加を感じる展示会となりました。
情報収集から次のステージへ移行した2018年度は、さらなるAI活用推進が見込まれます。KDDIエボルバは、今後も、真のCXを高める国内最先端のオムニチャネルソリューションをいち早く提供し、従来のコールセンターサービスに加え、お客様企業とお客様の次世代のリレーションシップを実現してまいります。
多くの皆様にご来場いただき、誠にありがとうございました。
◎「動画でわかるAIチャットボット、有人チャットサポート」は、 AIチャットボットサービスページよりご視聴いただけます。
◎事例協力企業一覧(法人格略、導入企業順)
- KDDIフィナンシャルサービス 様(事例ダウンロード)
- マネーフォワード 様(事例ダウンロード)
- ジャパンネット銀行 様(関連ニュースを読む)注1
- イオン銀行 様(関連ニュースを読む)
- イオンクレジットサービス 様(関連ニュースを読む)
- SBI損害保険 様(関連ニュースを読む)
ご協力をいただき、ありがとうございました。
2.公開セミナー「AIチャットボット最前線!CXを向上させるための秘密に迫る」
2018年4月5日(木)16:15~17:15に開催した公開セミナーに、KDDIエボルバ社員(サービス開発本部 セールスエンジニア1部 部長 近藤浩之)が登壇いたしました。オープンスペースに設営された特設会場内の席では足りず、通路いっぱいまで立ち見で溢れる300名を超える方にご参加いただきました。
「AIチャットボット最前線!CXを向上させるための秘密に迫る」と題したセミナーでは、以下の2点を発表しました。
- 企業窓口におけるお客様とのコミュニケーションを最適化!
『お問合せ窓口のハブ化を実現する「ビジュアルIVR」、新しい非対面チャネルの「AIチャットボット」、「有人チャットボットサポート」を複数の導入企業様の事例をもとに、仕組み・運用・成功のポイント』 - KDDIエボルバの企業ノウハウを初公開!
『回答精度(応対精度・品質)の高い、自動応答を実現するAIチャットボット構築、シナリオ設計のノウハウと方法』
スライドが変わる都度、多くの方が熱心にメモをとるなど、ご参加いただいた皆様に役立つ情報をお伝えすることができました。
◎当日発表の詳しい内容をご希望の方は、 お問合せフォームよりお問合せください。
◎公開セミナー
3.ブース内ショートセミナー
同時開催しましたブース内ショートセミナーでは、LINE様、BEDORE様、東芝デジタルソリューションズ様、KDDIエボルバ社員が登壇し、次世代のCX向上、対話型AIチャットBEDOREの展望、東芝コミュニケーションのAI RECAIUS、RPA導入の現実など、市場環境、企業課題、解決方法論を事例やデモを交えて、発表いたしました。
3日間にそれぞれ2回開催しましたが、全ての回が満員となり、展示ブースに入りきれないほどの皆様にご参加いただきました。当日発表しましたセミナーのポイントについて、紹介いたします。
◎ブース内ショートセミナープログラム詳細は、 こちらでご確認いただけます。
3-1.LINEカスタマーコネクトで実現する、次世代のカスタマー・エクスペリエンス
講師:LINE 株式会社
LINE Ad Businessセンター AD事業室 垣内隆志 氏
KDDIエボルバが提供する「AIチャットボット」サービスと2016年11月から連携している「LINE カスタマーコネクト」を立上げたLINE(株)垣内隆志(かきうち・たかし)氏より、「LINE カスタマーコネクト」の機能と、企業における活用イメージ、お客様ご利用イメージを事例、動画を交えながら発表いただきました。
日本国内の「生活インフラ」として定着した「LINE」は、月間アクティブユーザーが、国内人口の約57%にあたる7,300万人※1を超え、性別、年齢、職業、地域の偏りなく、幅広いユーザーに利用されています。
「LINE カスタマーコネクト」は、LINE上でAIが自動回答する「Auto Reply」、オペレーターがチャット応対する「Manual Reply」、LINE通話による無料電話が可能な「LINE to Call」、そして、お客様の電話をLINEに誘導する「Call to LINE」の4つの機能があります。それぞれの機能を単独で利用することも、組合せてハイブリッドに利用することもでき、2017年は、特に、「Auto Reply」と「Manual Reply」の企業導入が進みました。
「Auto Reply」は、企業のLINE公式アカウントに友だち登録したユーザーがLINEで質問をすると、24時間365日、AIが自動回答するサービスです。お客様の自己解決を促進するため、AI自動回答が企業に入った問合せの40%※2を超えた事例もあります。FAQベースで構築するAI自動回答の正答率は、約3~4ヶ月で95%※3に到達した例もありますが、解決できない問合せは「Manual Reply」でオペレーターに引継、テキストだけではなく画像やスタンプを使った会話で、効率よく問題解決する対応を実現します。
この「LINE カスタマーコネクト」は、お客様満足度向上や、人件費・通信費削減の施策として企業導入が進み、販売パートナーのKDDIエボルバ経由でもジャパンネット銀行様をはじめとした複数社で安定稼働を実現しています。
また、お客様の電話をテキストチャネルの「Auto Reply」や「Manual Reply」へ誘導する「Call to LINE」、LINEアプリのVoIPの音声通話からコンタクトセンターへの入電を実現する「LINE to Call」を利用することで、さらにお客様応対のチャネルを広げることができます。
LINEは、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることをミッションに掲げ、これからもさまざまなサービスを通じて、カスタマー・エクスペリエンスを企業、ユーザーに提供していきます。
◎セミナーで投影した動画は、以下よりご視聴いただけます。
一歩先のカスタマーコミュニケーション「LINE カスタマーコネクト」
https://youtu.be/OOEwuhuuNbk
◎LINE カスタマーコネクトを活用したKDDIエボルバのSNS活用ソリューション
https://www.altius-link.com/services/omnichannel/line/
- ※1.LINE調べ、2017年12月末時点
- ※2.LOHACO マナミさん事例
- ※3.LINE pay事例
3-2. AIチャットを実現する、東芝コミュニケーションAI 「RECAIUS」
登壇:東芝デジタルソリューションズ株式会社
RECAIUS事業推進部 事業開発部 林 政浩 氏
「音声合成、音声認識、対話サービス」などの幅広いラインナップをもつコミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」を提供する東芝デジタルソリューションズ(株)の林政浩(はやし・まさひろ)氏に、事例を交えたRECAIUSの技術、特長、コンタクトセンターでの活用について、発表いただきました。
RECAIUSは、①人の声をテキスト化(音声認識)、②文字を声に(音声合成)、③翻訳(同時通訳)、④音声対話、⑤知識蓄積・探索、⑥人を見つける(画像認識)の技術をベースに、アプリケーション、WebAPI、ソフトウェアなど多様なサービス提供形態で、「安定した音声認識率」、「自然な話し方の音声合成」、「的確に意図を理解する対話応答」等を特長にサービスを展開しております。
例えば、音声認識では、ノイズの多い野外環境等の多様な環境で利用できるのが特長です。安定した音声認識性能を活かして、コンタクトセンターのみでなく、社内の会議、工場や旅館等のフィールド業務でもご利用頂いております。鶴巻温泉のある旅館さまでは、従来のインカムをRECAIUSの音声認識ソリューションに交換した事で、リアル音声によるコミュニケーションに加えて、聞き逃した発言の再生やテキストによる確認をする事ができるようになり、タブレット端末操作だけで接客等状況の共有、円滑なコミュニケーション、運営最適化を実現しています。
また、テキストを音声に変換する音声合成は、自然な話し方を実現する「声デザイン」技術で、性別、年代、感情表現をする声の抑揚をパラメータで簡単に設定でき、数万種類の多様な声をつくりだしています。また、音声合成技術を活用し、数分程度の短い発話音声から簡単に似声が作り出す「コエステーション」という新たなサービスも展開しております。
コンタクトセンターでは、音声対話が効果を発揮します。統計ベースの意図理解機構とルールベースの対話機構で構成した「対話サービス」により、電話やチャットのお問合せに対して、柔軟な発話理解と複雑な対話応答で自動応対できます。これによりコスト削減とCS向上を両立します。
成果の一例として、KDDIエボルバが有人チャットサポートを提供している情報通信会社のコンタクトセンターにWebサイト用AIチャットとしてRECAIUSを導入し、人とITの統合運用を実現しました。同AIチャットではオペレーターへのエスカレーションの90%削減を達成した実績があります。更に音声認識と音声合成を組合せる事で、簡単に音声対話サービスが構築できる点も大きな特長です。
東芝デジタルソリューションズ(株)は、今後、AIチャット応対を初めとしたコンタクトセンターサービスにRECAIUSの様々な技術を適用して、次世代コンタクトセンターサービスを実現してまいります。
3-3. 対話型AIチャットBEDOREの導入事例と展望のご紹介
KDDIエボルバの「AIチャットボット」サービスで多数の実績をもつAIエンジン「BEDORE(べドア)」を提供する(株)BEDORE 渡辺氏は、冒頭、「極論、チャットボットのミッションは、FAQ以上の回答をすること」、「人とAIチャットが対話するためには、想定質問、回答候補を絞り込んだシナリオ設計だけではなく、AIエンジンの選定が重要」と唱え、「BEDORE」が選ばれる4つの理由と、今後の展望について発表されました。
国内で流通しているAIエンジンの対話性能は、「そもそも言葉の解析をしていない」、「日本語特有の言葉の区切り・表現の揺れの解析に弱い」など、チャットボットにおける活用のハードルが高いのが現状です。一方で、汎用的・業界固有の用語辞書データを初めから搭載し日本語に特化した高い対話性能を誇る「BEDORE」は、学習データが少なくとも高い回答精度で利用を開始することが出来、短期間で導入することができます。また、チャットボットが最も利用されるケースが多いコールセンターにおいて、現場で運営するSVやオペレーターがマウス操作だけでメンテナンス/チューニングを出来るよう設計された管理画面により運用・メンテンナンスに悩むこともありません。
さらに、人間的な会話の再現に重要な、基幹システム、データベース連携が可能です。
例えば、チャットボット上で「会員カードのポイント残高」を質問した場合、「BEDORE」は、基幹システムと連携することによりお客様がチャットボットから会員サイトでの認証が出来、チャットボット上で「ポイント残高」を回答し、パーソナライズされた対応が可能です。
(株)BEDOREでは、現在、対象のデータベースやマニュアルから回答を成形せずとも質問に対する回答を抽出する機能の実装に向け、実証実験をしています。今後も、AIがより人間らしい対応をして有人応対を減らすことを目指し、機能拡張をしていきます。
3-4. KDDIエボルバのRPAサービスとは?~長年の知見とテクノロジーの融合~
登壇:株式会社KDDIエボルバ
営業推進本部 営業推進部 白石雅弘
就労人口の減少や働き方改革推進など、企業を取り巻く環境は変化しています。これらに対する打ち手としてRPA活用による自動化が急速拡大しました。市場規模としては2020年には約500億円規模※4になるという推定もあります。
一方で、導入にあたりRPAツールの選定に悩んだり、RPA運用スキル保有人員の確保が難しかったりと導入に至らないケースや、導入したものの、体制が構築できず当初想定していたほどの効果が出ないという課題を抱える企業が多く存在します。
KDDIエボルバでは、それらの解決策として『BPOの知見=KDDIグループでの長年のバックオフィス事務処理ノウハウ』と『RPAによる自動化=RPAツール「WinActor(ウィンアクター)」)を組み合わせた「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」サービスを提案します。
当サービスによって、企業の業務特性を分析し、RPA導入可否判断の支援をすることも可能です。お客様との検討の結果、導入可能となった場合は、「WinActor」を提供いたします。また、RPA操作・運用トレーニングや、RPA動作シナリオの作成、RPA技術者派遣など、RPA定着化支援により、企業負担を軽減しています。このように、KDDIエボルバは、長年のBPO知見とRPAを組み合わせ、「一歩進んだBPO」をワンストップに提供いたします。
近い将来、自動化できる業務範囲は拡張され、人とテクノロジーは融合していくでしょう。その流れの中で、KDDIエボルバは、長年のBPOの知見・ノウハウを活かした「人とテクノロジーをつなぐビジネスデザインと、ソリューション・サービス」を提供し、企業の持続的成長を支援いたします。
- ※4.出典:矢野経済研究所「2018 RPA市場の実態と展望」
- 商標
- 「WinActor」は、日本およびその他の国におけるエヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社の商標です。
- その他本ニュース本文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。
- 注釈
- 「第2回AI・人工知能EXPO」とは、機会学習やディープラーニング、自然言語処理・AIソリューションなど、AIに関する最新の技術、活用方法が集まる展示会です。詳細は、公式イベントサイトをご覧ください。
- 「LINEカスタマーコネクト」とは、コールセンターが LINEを介して、AIや有人によるチャット対応や音声通話対応などをシームレスに行い、状況やニーズに応じた適切なカスタマーコミュニケーションを実現するサービスです。企業は、LINEが提携するサードパーティの有人チャットシステムやAI(人工知能)などを任意で組み合わせて導入することができ、自社のWebサイト・LINEアカウント・電話へユーザーからの問合せに対し、LINEアカウント上で対応することが可能です。詳細は、https://www.linebiz.com/jp/service/line-account-connect/をご覧ください。
- 東芝コミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」とは、東芝デジタルソリューションズ株式会社が提供する、音声や映像から人の意図を理解しビジネスと生活の安心・快適な活動をサポートするサービスです。東芝が長年にわたり研究開発してきた、音声認識、音声合成、翻訳、対話、意図理解、画像認識(顔・人物画像認識)などのメディア知識処理技術(メディアインテリジェンス技術)を融合し体系化しました。RECAIUSは、新しいライフスタイルやビジネスの創出に貢献します。
- 「BEDORE(ベドア)」とは、株式会社PKSHA Technologyの子会社である株式会社BEDOREが提供する、自動応答エンジンです。業界固有表現辞書(日本語)を用い、質問内容を理解する自然言語処理機能に加え、ディープラーニングによる自動学習機能によって、問合せに対する的確な回答を実現します。
- 「Win Actor(ウィンアクター)」とは、エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社が提供する、Windows端末上で操作可能なソフトウェアの繰り返し作業を自動化するAIロボットです。Excelやブラウザ、業務システムまで幅広く対応します。
- 注1.2021年4月5日に商号変更し、「 PayPay銀行株式会社(英文名:PayPay Bank Corporation)」となりました。
- 株式会社BEDOREは、2022年4月1日に商号変更し、「株式会社PKSHA Communication(パークシャ・コミュニケーション)」となりました。