アルティウスリンク株式会社は、2024年10月29日にJICA(国際協力機構)による「持続可能な地域活性化推進能力強化プロジェクト」の一環として、タイの地方自治振興局の方々をお迎えし、宮城県東松島市にある農作物栽培拠点「幸満つる 野蒜農園(さちみつる のびるのうえん)」を視察していただきました。
<タイの地方自治振興局の方々と共に地域活性化を願って記念撮影>
■地元の障がい者・高齢者の雇用推進とスマート農業による地域活性化の取り組みを視察
日本では、地方の過疎化や高齢化は重要な課題として、各地でさまざまな対策が行われています。タイにおいても、地方の過疎化や急速な高齢化が進んでおり、農業従事者の所得水準の低さも深刻な問題の一つです。この共通課題に対して、お互いの知見を共有し新しいアイデアを生み出すことを目的にJICAでは交流プログラムを設けており、その一環として今回の視察が行われました。
「幸満つる 野蒜農園」は東日本大震災で大津波被害を受けた宮城県東松島市にあり、復興と地方創生を願って開所された当社にとっても特別な場所です。地元の障がい者やアクティブシニアの方々を社員として雇用することで、地域の雇用を促進。農作物の栽培を行うだけでなく、ジャムやカナッペソースなどの加工品の製造や販売も行っています。野菜や加工品を大手スーパーやマルシェで定期販売するほか、ワークショップの開催や農業体験の提供など、地域密着のコミュニティづくりを推進するなど、どのように地域活性化を進めているのかご説明しました。
<「幸満つる 野蒜農園」の地域活性化に向けた取り組みをご説明>
また、「幸満つる 野蒜農園」では、AIやIoTなど先進技術を活用したスマート農業を実践。AIによりベストなタイミングと量で潅水・施肥を自動で行うことで農作業の効率化を図っています。ミニトマトの栽培では、IoTにより取得したデータを活用した管理・栽培を推進することで、出荷数や品質の向上を実現しています。
実際にミニトマトの栽培ハウスをご視察いただき、どのように潅水・施肥が行われているのかを直接ご確認いただきました。地方の農作物栽培拠点で最新テクノロジーが活用されていることに、タイの地方自治振興局の方も驚かれ、興味深いご様子でシステム機器をご覧になられていました。
<スマート農業を取り入れたミニトマトの栽培ハウス>
<IoT・AIと通信回線を活用したスマート農業の機器をご視察いただきました>
今回の視察では、幸満つる 野蒜農園が取り組む地元の障がい者や高齢者の雇用促進、ならびにAIやIoTなどの先進技術を活用したスマート農業による効率化について、具体的な事例をご紹介しました。ご視察いただいた取り組み事例が少しでもタイの課題解決の参考となり、今後の地域活性化推進につながることを願っています。
当社は、今後も地域社会の活性化や持続可能な農業の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。
■幸満つる 野蒜農園について
「幸満つる 野蒜農園」は、東日本大震災で大津波被害を受けた宮城県東松島市にある野蒜(のびる)にあります。「笑顔を大切に」をスローガンに掲げ、地元の障がいのある方々、アクティブシニアの方々を社員に迎え、被災跡地である野蒜の環境保全につながる農産物栽培をしています。また、販路開拓、地域活性化イベント開催、地元に根付く農業コミュニティ拠点活動、国内企業が取り組む復興支援・自然再生活動への参画、AIやIoTなどのテクノロジーでアプローチするアグリテックによる収量、品質、社員の健康と安全管理の向上に取り組んでいます。