エンジニアBLOG

2026/09/18

専門職大学院という学び方

中途入社9年目のOです。

私は大学は文学部国文学科の文系出身で、新卒では音楽好きから音楽ソフトの卸会社に総合職として入社しました。その後、IT業界へ転職し、プログラマー、情報システム部門担当者、アプリケーション開発者などを経験しながら数社を渡り歩いてキャリアを重ねてきました。

これまで、
・ソフトハウスでのプログラミング
・サービス業の情報システム部門での基幹システム担当(上流のみ)
・化学メーカーの情報システム部門でのECサイト構築(ベンダーと一緒にプログラミングも行う)
・ソフトウェアメーカーでのアプリケーション開発
などに携わってきました。
アルティウスリンクでは、コンシューマサイト、セキュリティ、情報システム部門など、複数の現場を経験しています。

また、開発対象も汎用機からWebシステム、クラウドまで、時代と共に環境を変え、オンプレ時代は開発環境のサーバー構築も経験しました。
工程もプログラミングからRFP作成まで、下流から上流まで一通り経験してきました。
今回は、そんな私が社会人エンジニアの学びの場としておすすめしたい「専門職大学院」についてご紹介したいと思います。

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専門職大学院とは

みなさんは専門職大学院をご存じでしょうか。

専門職大学院は、研究者を育成することを主な目的とした大学院ではなく、高度な専門職として活躍できる人材を育成するための実務重視の大学院です。
一般的な大学院が学術研究を中心とするのに対し、専門職大学院には次のような特徴があります。

・理論と実務を結び付けて学ぶ
・ケーススタディや演習が多い
・実務経験豊富な教員が多い
・修士論文が必須ではない場合が多い
・社会人向けのカリキュラムが整備されている

世間的にはMBA(経営大学院)や法科大学院(ロースクール)が有名かもしれません。
実際、私の友人にもMBAやロースクールで学んだ人がいます。

多くの専門職大学院では、働きながら学べるよう平日夜間や土曜日に授業が設定されています。また、標準修業年限は2年ですが、3年履修制度を設けている学校もあり、入学時期も春・秋と設定されていて2年半とする事もできます。

ITエンジニア向けの専門職大学院

専門職大学院にはIT分野のコースもあります。
私は化学メーカーおよびソフトウェアメーカー勤務時代に、東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の情報アーキテクチャコースへ進学し、情報システム学修士(専門職)を取得しました。
仕事との両立を考え、3年履修制度を利用しました。
AIITでは、1年次に講義中心で単位を取得し、2年次は研究室に所属してプロジェクト型演習や研究活動を行い、最終的に成果発表会でプレゼンテーションを実施します。

カリキュラムは実に幅広く、
・プロジェクトマネジメント
・ソフトウェア開発
・クラウド
・サーバー
・ネットワーク
・セキュリティ
・データ分析
など、エンジニアとして押さえておきたい技術領域を横断的に学ぶことができます。
また、
・技術者倫理
・知的財産や特許
・業務改善
といった実務寄りのテーマも扱われます。

私が通学していた頃は創造技術コースと情報アーキテクチャコースの2コースでしたが、現在は事業設計工学コースも開設されており、選択肢がさらに広がっています。
情報アーキテクチャコースを専攻しながら、他のコースの講義も受講可能です。

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なぜ大学院に進学したのか

当時の私はIT業界で約10年の経験を積んでいました。
しかし、「忙しくて勉強できない」という状況が続いていました。
基本情報は取得したものの、ベンダー資格取得のテキストを購入したが計画的に学習を進める事ができない。
技術コミュニティやハッカソンに積極的に参加するタイプでもない。
エンジニアとして漠然とした危機感を抱いていました。

そんな時に考えたのが、「お金と時間を投資して、半ば強制的に学ぶ環境に身を置こう」ということでした。
これが大学院進学の最大の理由です。

大学院で得られたもの

大学院での学びは想像以上に刺激的でした。
業務経験で断片的に理解していた知識が体系化され、「なぜそうするのか」を理論として理解できるようになりました。

また、業務では経験できなかった
・iPhoneアプリ開発
・アジャイル開発
・仮想化技術
・機械学習
・英語プレゼンテーション技法
などにも、触れることができました。
例えば、それまで経験則で行ってきた工数見積について実践的な算出理論を学べるなど、実に有意義でした。

当時はクラウドが出始めた頃で、Linux KVMを利用した仮想環境を構築したり、生成AI活用以前で、機械学習基盤を構築してデータ解析させたりと、記事などで見聞きしていた技術について実際に手を動かしながら経験できました。
入学を機に自宅PCもWindowsからMacに変へ仮想化ソフトを入れてさらにWindowsをセットアップし、授業の題材に合わせてOSを変えて学習しました。ちなみに、学割が使えたのでMacやソフトはお安く手に入れる事ができました。

学び以上の財産

大学院で最も価値があったのは、人との出会いだったかもしれません。
同じように働きながら学ぶ仲間達は非常に優秀で、
・仕事で忙しい中でも高品質な成果物を作る人
・プレゼンテーションが抜群に上手い人
・リーダーシップを発揮する人
など、多くの刺激を受けました。

チームを組んで課題に取り組む授業も多く、講義内容以上に同年代の学友からも学べる事が多々ありました。
また、私にとってはロールモデルとなる先輩女性エンジニアと出会えたことも大きな収穫でした。卒業から10年以上経った今でも交流が続いており、最近も一緒に旅行へ出かけました。

働きながら学ぶのは大変

もちろん楽な道ではありません。
仕事のトラブルで授業に参加できず録画がたまることもあります。
課題提出に追われる週ばかりで、3年間、自由な時間はほぼありませんでした。

それでも振り返れば、
・知識
・人脈
・学位
・キャリアの自信
という大きな財産を得られたと感じています。

エンジニアの学びの選択肢として

技術資格の取得はもちろん有意義です。
一方で、「自分の専門領域だけではなく、周辺分野も含めて体系的に学びたい」という方には、専門職大学院という選択肢もあります。

入学せずとも、科目等履修制度を利用して興味のある授業だけ受講することもできます。
社会人になってから再び学生になる経験は、新鮮で刺激的でした。

東京都民であれば入学料が半額になりますし、専門実践教育訓練給付金の対象なので手続きをすれば一部のお金が戻ってきます。
おまけとして、様々なサービスで学割も使えます。

もし今、「何か新しい学びを始めたい」と考えているエンジニアの方がいれば、専門職大学院も検討してみてはいかがでしょうか。