はじめに
エンジニアブログをご覧いただきありがとうございます。
私は今、ある企業の基幹システム開発チームで、要件定義や設計書のチェック、システムの
受け入れテストなどを担当しています。
最近は多くの企業がクラウドを使い始めていて、私のチームでも一部の機能をオンプレミスから
クラウドに移行しています。
その中で使っているのが「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」というクラウドサービスです。
実は私も初めて触ったクラウドなので、今回はOCIについてわかりやすく紹介したいと思います。
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)って何?
OCIはOracleが提供しているエンタープライズ向けクラウドサービスです。
主なサービスは以下です:
・コンピュート:仮想マシンやベアメタルサーバーを利用できます。IntelやAMD、
Armのプロセッサが選べて、高性能なHPCやGPUインスタンスも利用可能です。
・ストレージ:ブロックストレージ、オブジェクトストレージ(AWSのS3と互換性あり)、
ファイルストレージ、アーカイブストレージなどさまざまな種類があります。
・ネットワーク:仮想クラウドネットワーク(VCN)を作成し、サブネットやルート、
ファイアウォールの設定ができます。ロードバランサーやVPN、FastConnect(専用線接続)も
利用できます。同じリージョン内のデータ転送は無料です。
・データベース:Oracleの自動運転データベース「Autonomous Database」やMySQL、PostgreSQLの
マネージドサービスがあります。特にOracleのExadataサービスやMySQL HeatWaveは高性能で
注目されています。
・セキュリティ:アクセス管理(IAM)、DDoS対策、暗号キー管理、Cloud GuardやData Safeといった
セキュリティサービスも充実しています。ネットワーク設計はゼロトラストを目指しています。
・その他:コンテナ(Kubernetes)、API管理、データ分析、機械学習、監視ツールなど、
多様なサービスがあります。

世界のクラウド市場について
2024年のクラウド市場シェアは以下です:
・AWS(Amazon Web Services):約32%
・Microsoft Azure:約22%
・Google Cloud Platform(GCP):約10%
・Oracle Cloud Infrastructure(OCI):約4~5%

- (出典)Synergy「Cloud Market Growth Stays Strong in Q2 While Amazon, Google and Oracle Nudge Higher」
OCIの特徴とメリット
OCIの主な特徴やメリットは以下です:
・低コスト:コンピュートやストレージの料金が比較的安く、データ通信料もお得です。
使った分だけの料金体系で長期契約も不要なので、AWSやAzureよりもコストを抑えられることが多いです。
無料枠も用意されているため、学びやすいです。
・パフォーマンスが高い:高性能なハードウェアを使用していて、大規模なシステムでも安定して稼働します。
ベアメタルサーバーも選択可能なため、仮想化のオーバーヘッドなしで効率的に利用できます。
仮想マシンのCPUやメモリも細かく調整可能です。
・Oracle製品との相性が抜群:Oracle Databaseを利用している企業ならスムーズに移行が可能です。
Autonomous Databaseは自動でパッチ適用やチューニングをしてくれて、運用の負担を軽減します。
MySQL HeatWaveを使うと高速分析も可能です。
・セキュリティと信頼性も安心:セキュリティ機能が充実していて、高い可用性を実現しています。
世界に50以上のリージョンがあり、日本には東京と大阪のリージョンもあります。
災害対策やグローバル利用にも対応しています。ただし、AWSやAzureに比べると歴史は少し浅いので、
情報やコミュニティはまだ発展途上な部分があります。

OCIのはじめ方と学び方
ここまで読んでもらってOCIを触ってみたくなりませんか?
ここでは具体的な始め方と学習方法について紹介します。
・無料アカウントを作ろう:Oracle Cloudの公式サイトから無料アカウントを登録すると、
30日間有効な300米ドル分のクレジットが付与され、30日間さまざまなサービスを試せます。
・コンソールで操作してみよう:仮想マシンを作ってみたり、Autonomous Databaseを立ち上げて
クエリを実行したり、オブジェクトストレージにファイルをアップロードなどを試してみましょう。
AWSのS3に慣れている方もスムーズに利用できます。
・学習リソースを活用しよう:公式ドキュメントやチュートリアルが充実しています。
Oracle Universityの無料トレーニングもおすすめで、初心者向けの認定資格も用意されています。
OCIはコスト面やOracle製品との相性が良く、特に企業の基幹システムやデータベースの
クラウド移行に適しています。 AWSやAzureほど知名度は高くはありませんが、
必要なサービスはしっかり揃っていて、今後注目のクラウドプラットフォームです。
AWSやAzureの経験者であればほとんど抵抗なく始められると思います。
また、クラウド未経験者にとってはAWSやAzureと比較するとサービスの種類が少ない分、
やるべきことが明確なためクラウドエンジニアへの第一歩として最適だと思います。

さいごに
私のチームでは今、オンプレミス環境からOCIやAWSへの移行プロジェクトがたくさん進んでいます。
また、クラウドに関する研修も受講できる環境が整っています。
興味を持ってくれた方、一緒にチャレンジしてみませんか?
