はじめに
こんにちは。ⅭRM開発チーム(福永、羅、西田、齊藤)です。
私たちのチームはCRMチームと呼ばれており主にZendeskの設計、構築、アプリ開発、テスト、
運用サポートまでを一貫して担当しています。
Zendeskは、メール、チャット、SNSなどさまざまな問い合わせ窓口を、
一つのインターフェースで一元管理できるCRMサービス です。 問い合わせ対応の抜け漏れを防ぎ、
履歴をチーム全体で共有できるため、 サポート業務の効率化に非常に適しています。
実際にZendeskを活用することで、
・担当者間の情報連携がスムーズになる
・対応スピードが向上する
・対応の品質が安定する
といった効果が得られています。
私たちは、お客様ごとの業務フローや課題に合わせてZendeskを最適化し、
日々の問い合わせ対応をよりスムーズにする仕組みづくりをサポートしています。
Zendeskの構築は、有名なCRMサービスの1つであるSalesforceのようにローコードで
構築をすることができますが、 私たちのチームでは、Zendeskの標準機能では
実現できない機能を独自に開発して、お客様に提供しています。
今回は、日々の業務や開発で活用しているAIの利用方法 についてご紹介したいと思います。
チームでのAI活用例
最近、私たちのチームでも、日々の業務にAIを取り入れる場面がかなり増えてきました。
実際に使ってみると、「ここまで仕事が楽になるのか…!」と驚くことが多く、
今では欠かせないツールの一つになっています。
特に活用しているのは、次の3つです。
1. 文書作成のサポート
メールや報告書を書いていると、「この言い回しで合っているだろうか?」と迷うことがあります。
そんなときにAIに聞けば、フォーマル、カジュアル、控えめなど、状況に応じた表現をすぐに教えてくれます。
丁寧な依頼文や柔らかい表現をその場で整えてくれるので、文書作成のスピードも品質も大幅に
向上しました。
2. コーディング作業の効率化
ちょっとした機能実装や定型処理であれば、AIに要件を伝えるだけでコードの
たたき台を作成できます。 「まずはこの形で進めよう」というスタート地点が一瞬でできるため、
開発の初動が大幅にアップします。 もちろん、最終的な精査や調整は自分たちで行いますが、
AIのおかげで開発を格段に効率化でできるようになりました。
3. 調査のサポート
Zendesk や Salesforce の機能を確認したいときも、AIが大活躍します。
概要、設定方法、注意点、参考URLなど、必要な情報をまとめて提示してくれるため、
•調べるための“方向性づくり”
•公式資料を読む前の「下準備」 がとても楽になります。
AIはあくまで補助的なツールですが、使い方次第で時間も思考も大きく節約できます。
新しく導入した「Kiro」というIDE
そして最近、さらに興味深いツールを使い始めました。 名前は 「Kiro。」です。
これは、AIエージェントと協働しながら プロトタイプからプロダクションまで
一貫して開発を支援する新しいIDE です。
生成AIによってコードを自然言語から生成できる時代になりましたが、
実務では以下のような課題も存在します。
•「なぜこの構造なになっているのか?」が不明
•要件を満たしているか判断しづらい
•誰が、どこで、何を判断したか追跡できない
このままでは、保守や品質担保が難しくなる場合もあります
そこでKiroが採用しているのが、プロンプトではなく“仕様”を起点に開発する
「仕様駆動開発(Specification-Driven Development)」。
ユーザーの要望をもとに、自動でユーザーストーリーや受け入れ条件を生成し、
そこからコード・API・UIを構築します。
これにより、
•設計意図が明確になる
•仕様と実装の乖離を防げる
•仕様の共有および再利用が容易である
というメリットが得られます。
Kiroを実際に使ってみる
ここからは、実際に Kiro を導入してアプリを作成する流れをご紹介します。
まずは公式サイトから Kiro をダウンロードし、インストールします。
公式サイトはこちら: https://kiro.dev/
インストールは、基本的に、インストーラーの案内に従って進めれば問題ありません。
セットアップが完了したら、以下のアカウントでサインインできます。
•Google アカウント
•GitHub アカウント
•AWS アカウント
※アクセスが集中している場合は、ウェイトリストが表示されることがあります。
その場合は、登録しているメールアドレスに認証コードが届くまで、
利用開始を少し待つ必要があります。
Kiroの使い方とできること
Kiro を起動すると、「Vibe」と「Spec」という 2 つのモードが選べます。
■Vibe
GitHub Copilot のような チャットベース の開発支援。
思いついたアイデアをそのままチャットに投げると、サンプルコードや方針を
提案してくれる、いわゆる会話型アシスタントに近い感覚です。
■Spec
こちらが Kiro の肝となる部分です。
要件 → 設計 → 実装タスク → 実装 の流れを、ドキュメントを残しながら
段階的に進めてくれます。 生成物はすべてファイルとして残るので、
後からレビューしたり、別のプロジェクトで再利用しやすいのが大きなポイントです。
実際にKiroを使ってToDoアプリを作る
それでは実際にKiroのSpecを使ってToDoアプリを作成していきます。
まずは、アプリに必要な要件をざっと入力します。
すると Kiro が…
要件ドキュメントを作ってくれました!
中身はこんな感じです。(一部抜粋)
修正したい点があれば、そのまま Kiro に指示すれば問題ありません。
チャット感覚で「ここをこう直して」と伝えれば、すぐに要件を書き直してくれます。
要件が固まったら、次は以下の順で Kiro がプロジェクトを進めてくれます。
1.設計ドキュメントの作成
2.実装タスクリストの生成
3.実装フェーズ
実装に入ると、Kiro は
「このコマンドを実行していいですか?」
「次に進めますか?」
といった確認を逐一挟みながら、自動でコードを生成してくれます。
許可するだけで、どんどんコードが生成され、ついに……
設計ドキュメント(一部抜粋)
実装中(一部抜粋)
ToDoアプリが完成しました!
まとめ
今回は、チームで利用しているAIの活用法について書いてみました。
後半はほとんどKiroの説明になってしまいましたが、他にも用途に応じた様々なAIが
登場してきているので、皆さんが日々抱えている課題を解決してくれるAIがあるかもしれません。
エンジニアの方々の中には、業務効率を向上させたい方がたくさんいらっしゃると思うので、
ぜひ一度、調べてみてはいかがでしょうか。
(また「こんなAIがあるよ!」といった情報があればぜひ、教えてください。)
最後までお読みいただきありがとうございました。


