総合職の新入社員研修では「社会人基礎力」のミニマムラインの習得を目指す3か年の育成計画に基づき、配属後も新卒社員揃っての合同研修が行われています。入社後の研修では、スタート地点として学生から社会人への意識・行動変革を促し、総合職としてのマインドを理解するカリキュラムでしたが、今回は、変化の時代において社会人として長くパフォーマンスを発揮するための必須スキルとして注目される「レジリエンス」を高める研修を行いました。
<配属から4か月、学ぶ姿勢や議論の内容からも頼もしさと成長を感じられた新入社員たち>
■変化の時代の必須スキル「レジリエンス」を学び、業務で発揮するための研修
精神医学や心理学の分野において、ストレス耐性や精神的回復力の意味で使われるレジリエンスですが、ビジネスを取り巻く環境変化が激しい昨今、企業においても困難な状況に遭遇した際に大きく落ち込むことなく適応し成長する能力として、レジリエンスは経営面、人材育成面でも注目されています。
特に、新入社員は配属後新たな職場環境に身を置きながら、新しい人間関係の構築や初めての業務に従事する多くのチャレンジを積み重ねており、数々の壁にぶつかるのも当たり前のこと。今回は、新入社員の今だからこそ知っておきたい、レジリエンスを高める方法を学びました。
<4月の新入社員研修でマインドセットの研修を担当した(株)ログシーの講師が登壇!定点調査を行った新社員の自己分析をもとに一人ひとりに向けたアドバイスをおくっていただきました>
■仕事はうまくいなかいことが当たり前「自責サイクル」を回し続ける人が成長する!
まずは、4月の新入社員研修で学んだ、仕事で成果をあげるためのビジネスフレームワークや考え方を振り返りました。
最初に講師から問いかけられたのは「配属後、みなさんはどのくらい仕事でうまくいったと思えましたか?」という質問。社員たちの答えは、うまくいかなかったことが約7~8割を占めたという結果に。
講師からは「仕事でうまくいかないことは当たり前。皆さんは、総合職で入社しているのにすべての仕事がうまくいっていたとしたら極論、AIで自動化してもなんとかなる仕事だということ。創意工夫や相談をしながら答えを模索し、新しい価値を創造するのが皆さんに期待されていることです。うまくいかずアドバイスをうけたとき、へこんだり、開き直ったり“反応”に終始するのではなく、検証・改善することを繰り返す“反省”を心掛ける『自責サイクル』を回すことで、必ず成長しつづけられる人になれます」と伝えました。
ほかにも、漏れのない指示の受け方=4W(When、Why、Who、What)や、タイミングを意識した報連相、中間報告(相談)を入れることで上司からのアドバイスがもらえることなど、社員たちが配属後、職場で実践しているフレームワークを各個人の仕事のエピソードとともに振り返りました。
<仕事で役立ったフレームワークは?グループで話合いながら、業務や仕事上の悩みなどもお互いに把握しました 試行錯誤しながら日々頑張っています!>
■自責サイクルを回すために 「考えるくせ」をつけるワークに挑戦
続いて、検証・改善・確認・行動のサイクル=『自責サイクル』を回すにあたって、どこが難しいと感じるか、事前のアンケートでの結果を基に、考える(検証・改善)力を身につけるワークを行いました。検証・改善に活用できるフレームワークとして、ロジックツリー(WHYツリー、HOWツリー)を使い、自身の仕事上の課題の原因を明らかにするワークに挑戦!
<自責サイクルのなかでどのフェーズに苦手意識を感じるのかを事前にアンケート>
検証したいこととして「KPIを達成するにはどうしたらよいか」といったデスク全体の課題を挙げた社員や「なぜ、コミュニケーションが消極的と言われてしまうのか?」「なぜ、応対時間が長いのか?」「なぜ、応対中に早口になってしまうのか?」など、業務を遂行するうえで周りから指摘されることを検証項目に挙げる社員もいました。
<ツリーに矛盾や抜けている視点が無いか、発表を通じて確認しあいました。業務で直面している課題のため説明にも熱が入ります!>
WHYツリーで導かれた真の原因に対しての改善案を立案するためにHOWツリーをつかって改善のポイントを考えました。HOWツリーのポイントは『自分でできる解決策で分解していくこと』。現実離れした手段では解決になりません。
また、グループディスカッション中、講師からは「改善のポイントは自分だけで考えても限られてしまいます。改善策は多ければ多いほど精度が高まるので、ぜひ、周りの声を聞き入れてほしい。自分では思いつかない切り口の改善策がでてくるかもしれません」とアドバイスをおくりました。
<考え抜いた末、HOWツリーにはぎっしりと改善策が書き込まれました>
こうして、課題に対して周りの声を取り入れながら改善策を立案するグループワークを通じ、一つの事象から真の原因をつきとめ、改善策を考える力を身につけていきました。
■レジリエンスを発揮するために、6つの要素を使ったケーススタディーに挑戦!
レジリエンスはストレス(外界からのあらゆる刺激)によるゆがみを跳ね返し、立ち直る力。研修では、レジリエンスを構成する6つの要素(図1参照)を学び、段階的に発揮する方法として、自分自身がうまくいかなかった行動をレジリエンスで捉えなおすケーススタディーに挑戦しました。
<図1:「レジリエンスの構成要素」ログシー講演資料より>
ストレス要因が発生した際、まずは「どんな感情を持ったか?」を “自己認識”し、「どんな基本行動が適切か?」を“自制心”を持って動作することが重要。その先のフェーズのポイントは「ナラティブアプローチ」。一つの見方に囚われず、事象の裏にあるかもしれない物語=ナラティブを創造し、新たな側面を生み出すことで、事象を捉えなおすことができます。結果、真の原因にたどり着くことができ、より良い対処が可能になったり、目標を達成するための能力を自らが持っていると認識する自己効力感を持つことにもつながり、ストレス状態から脱することができると解説がありました。(図2参照)
<図2:「レジリエンス段階的な発揮方法」 ログシー講演資料より>
<事象の裏にあるナラティブをみんなで想像します>
講師からは、「仕事では予測不能な事態が毎日といっていいほど必ず起こります。常にレジリエンスが発揮できている人はこの6つの段階が行えているといえます。やればやるほど、レジリエンスを瞬時に発揮できるようになり、ポジティブ変換ができて、どんな事象もチャンスや経験、自信に変えられる人になります。レジリエンスを発揮して、あらたな側面を生み出し、先を創造できる人になってください」と伝えました。
研修を通じて新入社員の気づき、振り返りをいくつかご紹介します!
- 仕事での課題のうち、自責サイクルを上手に使いこなせていないのが原因ではないかと思った経験が多くあり、本講義で再度自責サイクルの仕方を学び直す良い機会となった。
- 現在管理者稼働に向けた研修を行っているうえで、レジリエンスは必要な思考であり、それを活かすことできればより良い対応できるのではないかと想像できた。
- 自責・他責に加え、自分の考え方を見直せたことが一番為になった。また、話し合いの中で同期の考え方や視点を知り、自分では気づけなかった部分が多々あった。これからは視野を広げ、第三者目線も大切にしていきたい。
- ロジックツリーは自分自身やデスクの課題を事実ベースで細分化して捉えられるため、具体的で説得力のある施策を立てることに活かせると感じた。今回学んだことを活かし下期の目標を立て、行動していきたい。
- 仕事がうまくいかないとき、ロジックツリーを活用し、なぜうまくいかないのか、またその深い原因は何かを深堀し、それに対しての改善案を立案することで成長していける人財になりたい。
こうして、仕事上の壁を超えるためのマインドセットやフレームワーク、レジリエンスの発揮方法を学んだ社員たち。近い将来管理者となる新入社員たちがこれらの考え方やフレームワークを使うことができると、チームの成果や周囲への良い影響にもつなげることができそうです!今日のインプットを糧に、レジリエンスが高い人財を目指し、日々繰り返し実践していきましょう。
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