アルティウスリンクでは、デジタル技術による業務改革が社会全体で加速する中、さまざまなDXに関する取り組みを推進しています。本ブログでは、当社の障がい者雇用専門部署である「事務サポートユニット」でメンバーが主体的に推進した、業務効率化に向けた取り組みをご紹介します。
■取り組みの背景
「事務サポートユニット」では、社内の事務・庶務業務をはじめ、印刷や社内便などの業務を、それぞれの内容に応じてチームを分けて担当しています。2016年のユニット立ち上げから現在に至るまで、障がい者雇用ではなく活躍を目指し、職場定着のサポートやチューター制度の導入など、さまざまな取り組みを行ってきましたが、業務効率化に向けた取り組みは今回が初のチャレンジとなります。
本取り組みの背景として「注文者の利便性を向上したい」という想いがありました。印刷業務では、注文者の工数負担や入力ミスといった課題を抱えていました。従来のExcel注文書では、記入項目が分かりづらく、誤入力が頻発。その結果、注文内容の確認や修正のやり取りが何度も発生、注文者にとっても手間のかかる状況となっており、印刷不備につながるケースも見受けられました。
こうした課題を踏まえ、印刷業務に携わるメンバーから「Power Automate※を活用し、注文者がよりスムーズに依頼できる仕組みを整えられないか」という提案があり、「印刷チーム」での業務効率化に向けた取り組みがスタートしました。
- Power Automateは、Microsoft 365に含まれる業務自動化ツールです。ノーコードでフォーム入力やファイル管理、通知などの定型業務を自動化できます。
■業務効率化に向けた挑戦 研修実施と新運用展開への道のり
印刷業務の経験やスキルはメンバーによってさまざまです。そこで、この取り組みを進めるにあたり、チームメンバーが目的を理解し、納得したうえで業務に取り組めるように工夫しました。印刷チームでは、2025年度の目標を「DX化に関われるように考えること」とし、新しい取り組みにチャレンジする意義を共有しました。こうした、前向きに取り組める雰囲気づくりを大切にしています。
また、チームメンバーそれぞれが持っている経験や知識を活かすことも重視しました。今回の取り組みは発案者であるHさんがメイン担当者となり、ITツールの知見があるNさんのサポートを受けながら推進していきました。業務を理解する2人が、運用方法の構築や新しい注文書の制作を担当し、他メンバーへの研修内容の構築や資料の準備も進めました。
<研修で利用した資料(抜粋)研修資料はすべてHさんが中心となって作成しました>
約3か月におよぶ準備期間を経て、いよいよ研修当日。印刷チームの全メンバーが参加し、「Power Automateを知り、体験すること」を目的に、実際に操作しながら学べる構成としました。講師はHさん、操作サポートはNさんが担当し、参加者の理解を深めながら研修を進行しました。
<HさんとNさんが連携しながら研修を進めます>
まず、Power Automateの概要を説明し、その後、業務内容に即したPower Automateのフローを作成します。エラーが出て躓くこともありましたが、Nさんがすぐにメンバーをフォローし、全員で一つひとつの工程をクリアしていきました。フローが正常に動作すると、自然と拍手が起こる場面も。
<エラーもありましたが、すべての工程をクリア!思わず拍手がわきます>
研修の最後に小島ユニット長から参加者に向けて「この研修をきっかけに、”この業務も自動化できるかも!” と気づけるようになり、実現してほしいと思っています。毎日同じことを繰り返すのではなく、DXの波をキャッチアップし、私たち自身も進化していけるように引き続き尽力しましょう。そして、研修を担当してくれたHさん、Nさん、ありがとうございました!」とメッセージがありました。Hさん、Nさんに向けてチームメンバー全員からの拍手で感謝の気持ちを伝え、研修が終了しました。
<事務サポートユニット 小島ユニット長>
■Power Automate活用による新運用がスタート!そして、次のステージへ
8月から新たな挑戦が始まりました。Power Automateを活用した運用がついにスタート。まずは注文数の多い商品から段階的に導入し、着実に成果を積み重ねています。すでに利用者からは、「入力が簡単でスムーズになり、注文までの工数が減った」「納品が早くなった」「他の商品も新しい運用方法で注文できると良い」という声もあがっています。
10月以降、新運用での対象商品をさらに拡大していく計画が進行中です。そして、印刷業務以外についても効率化の波を広げるべく、次なる一手も検討中。事務サポートユニットの挑戦は、始まったばかり。まだまだ続きます!
■管理者からのコメント 従業員が主体的に取り組める環境づくりの秘訣
普段から、メンバーが意見を発言しやすい雰囲気づくりを意識し、アイデアの実現に向けて共に考えることを心がけています。事務サポートユニットでは面談の機会を多く設け、一人ひとりと丁寧に向き合う時間を大切にしています。こうした対話を重ねることで、チームメンバーの特性を深く理解し、それぞれの個性を活かした業務の推進につなげています。今回の取り組みも、面談の中で、Hさんからの提案がきっかけでした。Hさん、Nさんのそれぞれの「得意」を活かせたからこそ、実現できた取り組みです。
また、チーム全員が研修を受講することで、メンバーの気づきを促し、新たな挑戦につながると考えています。
<事務サポートユニットを支える管理者>
アルティウスリンクは、今後もDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進するとともに、従業員の活躍や職場の取り組みを発信してまいります。
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