アルティウスリンクでは、希望のキャリアプランにあわせて複数の職種を用意しています。領域を定めず幅広い分野で事業を推進する「基幹職(総合職)」のほか、エンジニアとして専門性を発揮する「ITスペシャリスト職」があります。
2025年度に新たに迎えた40名のITスペシャリスト職の新入社員研修の模様を数回にわたってお伝えします。vol.2では、前回お伝えした「リーダーシップ研修」受講後、技術領域に分かれて学ぶ「テクニカルスキル研修」からインフラスキル習得者向けの「ネットワーク基礎研修」の模様をレポートします!ぜひ最後までご覧ください!
<テクニカルスキル研修はインフラとシステムに技術領域を分けて行います!>
■「早期に戦力となる人財を目指す」ための4か月
ITスペシャリスト職が目指す姿に掲げるのは「進化」と「価値」の2つのキーワード。進化は、自身に必要なスキルを考え、自ら学び、自ら進化していける社員となり、お客様企業とその先のお客様のために進化し更なる価値を創造すること。価値には、今、自身が最大限発揮できる価値を提供できる社員となることで、その価値の提供が自分自身の価値につながるとしています。新入社員には、これらの目指す姿に向けて「社会人としての自覚を持ち、業務で活用できる実践的なスキルと能力を身に着け、早期に戦力となる人財を目指す」とし、その実現に向けて、新入社員研修ではその土台となるような研修カリキュラムが7~8月の本配属までの間に組まれています。この研修期間に、基礎的な学びを習慣化し、配属までに必要なCCNAやITパスポートなどの資格を取得します。
それと並行し、研修の前半では「ビジネス・ヒューマンスキル研修」としてビジネスマナーやコミュニケーションスキルといった社会人としての基礎を学び、後半には「テクニカルスキル研修」としてエンジニアの基礎知識を習得。それらを掛け合わせて早期に戦力となる人財を目指すことが研修のゴールとなります。
また、本配属後もフォローアップ面談や研修を定期的に行い、1年間を通じて新入社員の成長をバックアップしています。
■現場でも使われる機器に触れて簡易的なネットワークを構築する
ネットワーク基礎研修は既に1週間が経過。この日までに座学研修が一通り行われ、いよいよ機器の操作がメインとなる実機研修へ進んでいました。内容は、OSPF(Open Shortest Path First)という仕組みの基礎を習得する研修として、その前段であるネットワーク上でデータ伝送の経路を選択するプロセスである“2つのルーティング(スタティック/ダイナミック)”の違いを明確に説明できるようになることが目標として設定されました。
<Webマニュアルを活用しPCからいつでもマニュアルを確認できる環境が整備されています>
2つのルーティングを正しく理解しすることが、エンジニアとしてサーバーなどの設備を構築・管理するうえで重要な基礎となり、通信障害発生時の対応の心構えにもつながります。ルーティングが大きく分けて2つあるのは、通信方法とその管理方法の違い。1つ目のスタティックルーティングは、管理者が各機器に番号を付与し、データの通信経路を制御することで機器の負荷を軽減する方法。2つ目のダイナミックルーティングは、接続された機器がお互いに通信を取り合い、学習しながら番号を付与してデータの通信経路を決める方法で管理工数が軽減する反面、機器の負荷は大きくなる方法です。
それぞれにメリット・デメリットが存在し、構築するネットワークの規模によって設計していくことになります。OSPFはダイナミックルーティングに属し、データ伝送時のコストを計算して最適な通信経路を選択する仕組みです。通信する機器同士の“あるべき姿“を正しく設計・運営することもエンジニアに求められるスキルとなります。
<テクニカルスキル研修はITS人財開発ユニットの先輩社員(右)が講師となり自らの経験も交えて教えます>
グループワークでは、ホワイトボードに配線図を記した後、実際に機器を接続しながら、ルーティングの違いに対する理解を深めます。そして、それぞれの通信で一部分に物理的な断線が発生した場合に、ネットワーク上ではどのような反応が起きているか、また、管理者が最初に行う処置についても考えます。
<各グループでそれぞれ意見を出し合いながら一つの意見にまとめます>
この場合も、ルーティングの違いによって対処方法が異なります。管理者が番号を付与したスタティックルーティングでは、通信断が発生。反対に機器同士が通信しあうダイナミックルーティングは瞬間的に通信断が発生するのみとなります。提供サービスが止まる通信断はできるだけ早く復旧する必要があり、スタティックルーティングで機器を設定する場合にも、迂回路としてバックアップを用意しておく必要があることを学びます。
いずれにしても通信障害は避けるべき事象であり、発生した場合にも速やかな復旧ができるよう構築段階から通信障害への対策を意識し、安定したサービスの提供に向けた管理・保守の運用体制が重要だという理解が深まったようでした。
■通信障害をシミュレーション!協力し合いながら復旧の道を探す
基本的なネットワークの構築を終えた後、講師からチャレンジ企画が提案されます。講師がネットワーク上に罠を仕掛けて通信断を起こします。通信障害が発生したと想定し、仕掛けられた罠を特定して復旧を目指すというグループワークです。
<楽しそうに罠をしかける講師と見ないように背を向けるグループ一同>
<どのくらいの時間で復旧できるか皆で協力し合います!>
<他のグループも次々にチャレンジがスタートしています>
最初に行うのは、通信断の発生場所の特定です。配線上の物理的な断線か、ネットワーク上のエラーかなど基本動作を徹底します。発生場所の特定ができた場合には、その原因を探ります。各機器に信号を送り、機器が正常な動作を行っているか、機器同士がお互いに正しく認識し合っているかなどを確認します。ダイナミックルーティングでは機器同士が通信を取り合っているため、正常な動作でない場合に管理者側での制御に難易度が上がります。スタティックルーティングに一時的に変更し、管理者が制御しながら通信状態を確認するなど状況に応じた判断を行い、復旧を目指します。
<全員でこれまでに習得した知識を基に意見交換しながら試行錯誤を繰り返します>
<原因を特定し無事に通信障害が復旧!皆で拍手をして讃えます>
実際の機器を使用して行う研修は、余裕をもった時間で行われるため各々がチャレンジできる場になっています。疑問に思ったことを質問・検証し、皆で共有することで全員が同じようにスキル向上ができているようでした。
最後に、取り組んだことを振り返り、できたこと・できなかったこと、次の研修に向けた目標などを設定し研修が終了しました。
今回のグループワークを通じて、インフラエンジニアとして避けて通れない通信障害に対する心構えを学ぶことができたのではないでしょうか。次回は「パーパス&バリューズ ワークショップ」の模様をお届けします!