サプライチェーンマネジメント
アルティウスリンク(以下「当社」)は、サプライヤー様と協働・協力しながらサステナブル調達をさらに向上させることで、人権、環境を中心とした社会問題に対する責任ある行動を目指します。
方針
持続可能な責任ある調達方針
当社は、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達方針」に基づき、適切なサプライチェーンマネジメントとして、サプライヤー様との共存共栄、地球環境への配慮、公平・公正な取引、人権・労働環境への配慮、適正な情報管理、品質と安全性の確保、社会との共生および適用範囲の8項目を推進していくことを方針としています。
制定日 2024年8月1日
パートナーシップ構築宣言
当社はサプライヤー様との共存共栄を目指し、パートナーシップ構築宣言の内容を遵守します。

体制
サプライチェーンマネジメント推進体制
当社は、サステナビリティ推進体制としてサステナビリティ担当役員のもとサステナビリティ推進委員会を設置し、その連携下で総務本部を事務局としたサプライチェーンマネジメント推進体制を構築しています。
取締役会は、持続可能な責任ある調達に関するリスク管理や業務遂行、活動推進の報告を受け、監督します。

取り組み
サプライチェーン上のリスク管理
当社は、サプライチェーン上の課題の把握と解決を目的として、主要なサプライヤー様にアンケート調査を実施しています。
アンケートでは「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」で規定されている人権・労働、安全衛生、環境、公正取引・倫理、品質・安全性、情報セキュリティ、社会貢献などの取り組み状況を確認し、持続可能な調達の課題をサプライヤー様と共有しています。
アンケートの実施
当社は、2024年度より重要なサプライヤー様(※)に対してサステナブル調達に関するアンケート調査を開始しました。
アンケートにはKDDIグループとして通信会社3社(NTT、KDDI、ソフトバンク)共通SAQ(Self-Assessment Questionnaire:自己評価調査)を使用し、アンケートの標準化、サプライヤー様の負担軽減を図っています。
また、KDDIと共通するサプライヤー様はグループでの共有をご了承いただいた場合にKDDIと回答を共有することでもサプライヤー様の負担軽減を図っています。
- 重要なサプライヤー様の定義:当社の発注金額ベース上位約60%のサプライヤー様を対象としました。今後対象範囲を広げていく予定です。
アンケート概要 | 2024年度実績 | 2025年度目標 |
---|---|---|
依頼対象 | 発注金額上位60% | 発注金額上位65% |
アンケート回収率 | 67% | 70%以上 |
2024年度実績 詳細
アンケート種別 | 社数 | 比率 | |
---|---|---|---|
第三者評価(※) | 17社 | 29% | 67% |
通信3社共通SAQ | 13社 | 38% | |
未協力 | 15社 | 33% | 33% |
計 | 45社 | 100% | 100% |
- 第三者評価:サステナビリティ評価のグローバルプラットフォームであるEcoVadisなど外部評価機関の受審結果をKDDIと共有しています。
通信会社3社共通SAQ
通信会社3社共通SAQは全12項目で構成されており、サプライチェーン上のリスクをサプライヤー様と共有しています。
懸念のあるサプライヤー様へのヒアリングによる詳細確認や改善提案など、是正に向けた対応を実施しています。
テーマ | 設問数 | 設問内容例 |
---|---|---|
法令遵守・国際規範の尊重 | 3 | 法令遵守や国際規範に関する会社方針・規定の確認など |
人権・労働 | 5 | 人権尊重・労働者の権利確保、児童労働の実態、労働時間への配慮 |
安全衛生 | 6 | 危険箇所の特定・評価・対策プロセス、緊急時報告や避難、労働災害有無など |
環境 | 4 | 環境イニシアティブ認証取得、温室効果ガスの排出量を算定、環境負荷低減、水の管理、資源の有効活用と廃棄物管理など |
公正取引・倫理 | 7 | 腐敗防止、適切な情報開示、公正なビジネス遂行、通報者の保護、責任ある鉱物調達など |
品質・安全性 | 4 | トレーサビリティ管理、違反行為の有無など |
情報セキュリティ | 5 | 個人情報保護、機密情報漏洩、サイバー攻撃の防御手順など |
事業継続計画 | 2 | 大規模災害、テロ、広域伝染病などへの対応の作成 |
マネジメントシステムの構築 | 1 | 取引リストの特定、軽減へ向けた取り組みについてのステークホルダーへの説明 |
お取引先の管理 | 2 | 2次お取引先さまへのアンケート実施、実地調査・監査など |
苦情処理メカニズムの整備 | 3 | 苦情処理窓口設置、ステークホルダーへの周知、通報者保護など |
取り組み状況の開示 | 1 | サステナビリティ、サステナブル調達などの取り組み状況 |
結果とリスク分析
当社は、カスタマーサクセスを実現する次世代コンタクトセンター・BPOサービスなどを主業としており、人財が経営上の重要なファクターであることから「人権と労働」が主なサプライチェーン上のリスクであると認識しています。
サプライヤー様へのアンケートの結果、平均して79点という高い得点率となり、全体としてリスクの顕在化は確認できませんでした。当社がリスクと認識する「人権と労働」については、サプライヤー様の取り組みが当社の設定する基準値を上回っており、直ちに対処を必要とする事案は確認されませんでした。しかしながら、継続的な取り組みが重要であると考えており、今後もサプライヤー様とのコミュニケーションを重ねながら、さらなる改善を目指してまいります。一方、「環境」については、一部取り組みが十分でないサプライヤー様も確認されました。これに対しては、継続的なコミュニケーションや情報提供を通じて、改善に向けた支援を行っています。
当社は、今後もアンケートを通じてサプライヤー様とのエンゲージメントを強化していきます。
得点率 | 比率 | 定義 |
---|---|---|
81〜100点 | 43% | 優れた取り組みができている |
63〜80点 | 43% | 一般的な取り組みができている |
0〜62点 | 14% | 取り組みが一部不十分である |
研修・啓発活動
当社は、サプライチェーンマネジメントを推進するにあたって従業員およびサプライヤー様への研修、啓蒙活動を重視しており以下を実施しました。
対象 | 2024年度実績 | 2025年度実施目標 |
---|---|---|
当社購買担当者 |
|
購買担当者全員を対象にサプライチェーンにおける労働時間と賃金に関する「価格転嫁」の実務を含んだ研修を実施する |
当社従業員 |
|
従業員の80%を対象にサプライチェーンにおける労働時間と賃金に関する「価格転嫁」の実務を含んだ研修を実施する |
サプライヤー様 |
|
サステナブル調達の取り組みの説明と、サステナブル調達アンケートの対応依頼を継続して実施する |
新規サプライヤー様への対応
当社は、新規サプライヤー様との取引開始にあたって、「KDDIグループ持続可能な責任ある調達方針」と「KDDIグループ持続可能な責任ある調達ガイドライン」を送付し、当社方針への理解と実践を要請しています。また、サプライヤー様や調達品選定にあたっては、品質・価格・納期・安定供給に加え、環境や社会への配慮を重視した判断基準を設けていきます。
紛争鉱物への対応
当社は、紛争鉱物を直接取引しておりませんが、調達活動における社会的な責任を果たすため、サプライヤー様へのアンケートなどを確認し、紛争鉱物の不使用に向けた取り組みを推進していきます。
サプライヤー様からのコンプライアンスに関する相談・申告窓口
アルティウスリンクグループでは、コンプライアンス上の問題の未然防止、早期発見、早期解決を図るため、サプライヤー様の従業員などを対象とした相談または申告を受け付ける窓口を設置しています。
相談・申告対象について
- 下請法違反の疑い
- 長時間労働など「労働・安全衛生」にかかわる内容
- 強制労働、児童労働、差別を含む「人権」にかかわる内容
- アルティウスリンクグループ従業員の暴力行為、圧力行為など