アルティウスリンクでは、IT業界で就職活動を行う大学生・専門学生を対象にITエンジニアへの理解を深められるインターンシップを開催。グループワークを通してIT課題に対する解決方法を実践的に体験できる4つのコースで開催しました。
このなかから2日にわたって開催した「システムエンジニア体験」のアジャイル開発ワークショップをレポートします!
<遠方からでも参加しやすいよう一部のコースはオンラインで開催>
■アルティウスリンクのITソリューション事業とは?
冒頭では、アルティウスリンクの会社紹介のほか、ITソリューション事業がお客様企業のIT課題をアルティウスリンクのエンジニアが解決に導いていく事業であることを説明。その具体的な事業内容として、「エンジニア派遣」「ITアウトソーシング」「インテグレーション」を3つの柱としてお客様企業のIT戦略をサポートしていることをお伝えしました。
<ITS採用ユニットの原子さんがITソリューション事業について簡潔に説明>
エンジニアの仕事はプログラミングが中心と思われがちですが、実際には幅広い領域・工程で活躍しています。たとえば、上流工程において、インフラエンジニアはITコンサルやフロントSEとしての役割を担い、システムエンジニアはシステム企画や要件定義などを担当します。さらに、両者とも下流工程では、運用・保守・監視やヘルプデスク、テストなどに携わっており、エンジニアは技術的なスキルに加え、業務設計や運用プロセスの改善など、ITシステム全体に深くかかわっていることを紹介しました。
<川の流れをイメージして上流から下流へと工程が進みます>
インターンシップの会場には本年度入社した新卒社員も同席。直近まで就職活動を行っていた先輩と交流できる場も設けました。そして、グループワークに入る前には、自身がリラックスして参加するのはもちろん、共に参加するメンバーへのリスペクトを忘れず、リアクションを通して積極的に交流を深めて欲しいとしました。
■1日目はユーザーストーリーマッピング~自身の日常行動を要件定義~
プログラムは座学からスタート!
まずは、システム開発でよく比較される「ウォーターフォール開発」と「アジャイル開発」の違いを学びます。その後、アジャイル開発の現場で行われる要件定義について説明。要件定義は、プロジェクト開始前に必要な機能や要件を整理する重要なステップであり、開発者とお客様企業が共通の目的をもって開発するための、設計の出発点となります。実際の要件定義は数十ページに及ぶこともあり、セキュリティ、ハードウェア構成、ネットワーク、UI、データベース、外部連携、エコロジーなど多岐にわたる項目を網羅する必要があることを紹介しました。
<日頃からシステムエンジニア研修を担当し、現場での豊富な経験を持つ講師がグループワークを実施>
いよいよアジャイル開発ワークショップへ
1日目は「ユーザーストーリーマッピング」に挑戦!短い文章で行動を記したユーザーストーリーを時系列と優先度の観点でマッピングして並べ、ユーザーの動きを可視化し、要件定義に活かします。また、アジャイル開発の要件定義では、「正解は誰にもわからない」「最初から完璧にはできない」「完全な仕様書は存在しない」などが基本の考え方であり、取り組みやすいワークであることが参加者へ伝えられました。さらにアジャイル開発で大切なのは「実現できること」より「実現したいこと」。本当に必要なことのために、やめる決断もしなければいけないことをワークでも意識して欲しいとしました。
テーマは「朝起きてから玄関を出るまでの流れ」。自分の“朝の行動”を細かく付箋に書き出すところからスタートしました。「歯みがき」「朝食」「着替え」などを書いた付箋をホワイトボードに貼り、同じ行動は重ねて、時系列に並べていくと、自然と会話が生まれ、参加者同士の興味や驚きが広がっていきます。朝ごはんを“食べる・食べない”や歯みがきのタイミングなど、ちょっとした違いが盛り上がりのきっかけとなり、コミュニケーションも活発になっていきました。
その後は条件が追加されていく中で、効率化や代替案が飛び交い、議論はさらに白熱。お互いの価値観を尊重しながら、ひとつの流れにまとめる工夫が求められました。
最後には、講師から「実は、もっとシンプルに要件定義を進める考え方があります!」と、ちょっとした“種明かし”がありました。あえて要件定義の知識がない状態で取り組んでもらったことで、その難しさや重要性を肌で感じてもらえたのではないかと思います。身近で想像しやすいテーマを扱うことで、要件定義を行う上で重要かつ基本的な「考え方」を実践的に楽しく学ぶ1日目となりました。
■2日目は相手グループから発注を受けてシステムの企画を立ち上げるワーク
2日目は、1日目の終了時に「気軽な服装でどうぞ」と案内していたこともあり、普段着で参加する人もチラホラ。前日とは少し違った雰囲気の中、会話も自然と盛り上がります。この日のグループワークは、参加者が「お客様企業」と「開発者」の両方の立場を体験できるよう、2つのグループが役割を交換しながら企画を立案していきます。
テーマは「学生生活での悩みを解決する」。日々の学生生活の中で感じる悩みや不満をもとに、「もっとこうだったらいいのに」「こんなサービスがあったら助かる」といったアイデアを出し合います。学校の環境が異なっていても、共通して抱える課題に着目することがポイントです。ただし、参加者はITエンジニアの立場で考えます。「ITエンジニアとして、どうシステムでその問題に寄り添えるか」を考えることが重要になります。
お客様側は「お金を払ってでも解決したい悩み」をグループ内で話し合い、共通の課題として依頼書を作成。相手グループにオーダーします。
依頼書を受け取った開発者チームは、お客様チームにヒアリングして課題を深掘りし、情報を収集。その後、グループで解決策を検討し、プレゼンに進みます。プレゼン後は、企画を中心にシステム設計を行います。実際のプログラミングはしませんが、1スプリント目・2スプリント目・3スプリント目でどの機能を実装させていくのかを、ニーズを捉えながら、1日目に学んだ考え方を活かして検討していきます。
機能を充実させれば費用が増え、費用を抑えれば機能が減る——そのバランスを考えながら、“ちょうど良い”を目指しました。
<アジャイル開発の現場で行っている仕組みも紹介しました!>
最後に、「お客様」がシステムの良かった点を「開発者」へ伝えて2日目のワークは終了。参加者全員で成果を讃え合いました!
インターンシップ終了後は、個別フィードバックを受けたり、就職活動の先輩である新卒社員との交流を楽しんだり、共通の趣味を持つ学生同士で盛り上がったりと、皆さんそれぞれ充実した時間を過ごしている様子でした。
参加いただいた学生の皆さんとのご縁が、これからも続いていくことを願っています!インターンシップへのご参加、そして前向きに取り組んでいただき、誠にありがとうございました!
アルティウスリンクでは今後も、当社や業務について知っていただくための「オープンカンパニー」や「インターンシップ」を開催していきます。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽にご参加ください!