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CX²-CC|顧客接点の価値最大化

アルティウスリンクが描くAI時代のコンタクトセンターとは
AI×DX×BPOがもたらす3つの変革価値

  • 企業課題解決
  • AI活用
  • データ活用

生成AIの急速な進化やデジタル接点の多様化により、コンタクトセンターに求められる役割は、大きく変化し始めています。単なるお問合せ対応に留まらず、顧客体験価値の向上や事業成長を支える存在として、より戦略的な役割が期待されるようになりました。

そうした市場環境の変化を受け、アルティウスリンク株式会社では、「Total CX² Design Company」というビジョンを掲げ、その実現に向けた「戦略的5領域」を定義しました。その中で、コンタクトセンター(CC)領域は、これからどのような役割や価値を担っていくのか。現場で見えてきた課題や、その先にある構想について、サービス企画を担うリーダーたちに話を聞きました。

長田 智樹のプロフィール画像

サービス統括本部 企画開発第1本部 サービス開発1部 部長

長田 智樹

コンタクトセンター業界に約27年従事。センターの立ち上げのほか、KDDIにてフロントSE、ネットワーク運用などを経験。2023年より生成AI関連プロジェクトに参画し、現在は生成AI・デジタルマーケティング・データ活用領域のサービス開発を推進している。

本間 洋介のプロフィール画像

サービス統括本部 企画開発第1本部 サービス開発1部 開発1ユニット ユニット長

本間 洋介

コンタクトセンターの運用部門および統括業務に約9年従事。2017年より有人応対と連携したAIチャットボット導入プロジェクトのマネジメントを担当。現在は、主に生成AI・データ活用領域のサービス開発を担当している。

鎌田 靖司のプロフィール画像

サービス統括本部 企画開発第1本部 サービス開発1部 開発2ユニット ユニット長代理

鎌田 靖司

コンタクトセンター運用管理者として約10年、お客様企業のペーパーレス化や業務自動化を推進。2019年にRPAサービスを立ち上げ、RPA・AI-OCR関連プロジェクトを牽引。その後、VOC分析やeKYCなどのサービス化に携わり、現在は生成AIサービスをはじめとしたサービス企画・開発を推進している。

従来の課題を解決し、根本から変革するAIコンタクトセンター構想

長田
長田

私たちサービス開発1部は、新サービスの企画・開発をミッションに掲げ、新ビジョンにおける5つの領域のうち「コンタクトセンター(CC)」と「カスタマーサクセス(CS)」の2領域を担当しています。

そのなかで、私たちが形にしようとしている象徴的なプロジェクトが、「AIコンタクトセンター構想」です。これは、従来のコンタクトセンターが抱えるコストやCX(顧客体験)の課題を解消し、センターの位置づけを根本から変革するプラットフォームの構築を目指すもので、具体的なサービス提供に向けて現在開発を進めています。

長田
長田

AIに注目が集まっている背景の大きな要因の一つとして、お客様企業から寄せられる「AIを使って効率化したい」というご相談の増加があります。ただ、現段階では漠然としたご要望であることも多く、実際のところAIはただ入れただけでは成果が出るものではありません。現場の業務知識やお客様対応におけるノウハウがあって、初めて正しく機能し、成果に結びつくものです。

その課題を解決できるのは、長年BPO企業としてさまざまな業界の業務を支援し、フロントからバックエンドまで幅広い運用ノウハウを蓄積してきた私たちであると考えています。単にシステムを導入するだけでなく、当社の豊富な業務知識を活かしてAIを正しく育成し、お客様企業の業務にフィットした形でお届けする――それこそが、私たちが目指すAIコンタクトセンターの姿です。

生成AI導入の障壁となる「ハルシネーション」へのアプローチ

鎌田
鎌田

私はこれまでにコンタクトセンターにおけるAIサービスの立ち上げと現場への導入を担当してきましたが、今から3年ほど前、生成AIが注目され始めた段階では、業界全体に「本当に生成AIが使えるのか」という強い懐疑論がありました。その最大の理由が、AIがもっともらしい誤情報を出力してしまう「ハルシネーション」のリスクです。

私たちのようなBPO企業にとって、お客様対応における「正確性」は生命線であり、すべてです。たった一つのミスや誤案内が、お客様企業のブランド価値を毀損するリスクがあると考え、品質管理は徹底して行ってきました。それだけに、当時は「不確実な技術を現場に組み込めるのか」という、非常にシビアな課題がありました。

鎌田
鎌田

こうした課題に対し、実際にサービスを立ち上げるなかで見えてきたのは、AIにすべてを任せるのではなく、「適用範囲を明確に絞り込めば、正確性は十分に担保できる」ということです。もちろん、ハルシネーションを防ぐためのプロンプト(AIへの指示)の工夫やRAG(検索拡張生成)といった技術的な進歩の寄与もありますが、それ以上に重要だったのは、「利用する側(人間側)の使い方の進化」です。AIの得意・不得意を正しく理解した上で業務に適用するという、現場の「使いこなす力」が育ってきたことが、壁をクリアできた大きな要因だと考えています。

生成AIという「技術」の理解だけでは、コンタクトセンターの課題は解決できません。業務プロセスを深く理解した上で、デジタルの仕組みと組み合わせるノウハウが必要です。当社には、現場の業務を深く理解している「BPOのノウハウ」と、業務をシステム化・効率化する「DXのノウハウ」、そして生成AIをコントロールする「AIのノウハウ」という3つの強みが揃っています。これらを融合させ、実際のサービスとして現場へ定着させてきた経験があるからこそ、現在進めているAIコンタクトセンター構想を、確かな形へと進めていけるのだと考えています。

価値あるデータ分析を導く「データの質」と「活用の目的」

本間
本間

私はデータ分析を主導する立場ですが、AI活用をさらに進め、またAIコンタクトセンターを実現する上では、共通する根深い課題が2つあると考えています。「データの質」と「活用の目的」の2点です。

まず「データの質」については、「データが大量にあれば、何か価値のある分析ができるだろう」と誤解されがちな点が、大きな課題です。データの世界には「ガベージイン・ガベージアウト(ゴミを入れたらゴミしか出ない)」という有名な格言があります。その言葉のとおり、どれほど優れたAIであっても、入力するデータにノイズや不正確な情報が多く含まれていれば、出力される結果の精度が下がってしまいます。価値のあるアウトプットを得るためには、その土台となるデータの品質が重要です。

本間
本間

古くからコンタクトセンターは「VOC(お客様の声)の宝庫」として、その活用の重要性が広く議論されてきました。しかし、蓄積されているデータが分析やAI学習にそのまま使える(活用できる)ケースは、まだ多くありません。入力形式や記録粒度が統一されておらず、分析に必要な要件を満たしていないケースも多いためです。

また、データが「活用の目的に沿っているか」という点も重要です。例えば、商品改善に活かしたいという目的があっても、商品の仕様に対する不満や要望について深くヒアリングしていないデータからは、いくら最先端のAIを使っても有効な情報を得ることはできません。データがあることと、それが活用に適した状態であることの間には、まだ整備すべき多くの課題が残されていると感じています。

さらに言うと、これまでのコンタクトセンターにおけるデータ活用は、その多くが効率化や応答率の向上といった「コスト削減」を主目的に置いたものでした。もちろんそれも大事ですが、これから本当に取り組まなければならないのは、企業の売上貢献や新たなバリューにつながる、よりポジティブな価値の創出です。

そういったプロフィットセンター化の構想は以前から業界の理想として掲げられてきましたが、まだその道筋を明確に描けるケースが少ないのが現状です。現場の知見を持った人財が明確な目的を掲げ、そこにデータアナリストやAIによる専門的な分析を掛け合わせていく。こうしたハイブリッドな推進体制のもとで、分析結果を業務改善や収益機会の創出までつなげていくことこそが、私たちの目指す「データ活用」です。
そういった課題を解決できるよう、今後さらに注力していきたいと考えているのが、提案の初期段階でデータの収集から蓄積方法などを支援し、AI活用前提のデータ整備をするアプローチです。お客様企業が分析したい目的に対して、「まずはデータを正しく取得し、つなげる環境づくりからスタートしましょう」と、具体的なロードマップを提示して伴走する。この入り口の整備からの伴走があって初めて、お客様企業と共に真の価値創造が実現できると考えています。

現場の「暗黙知」を解消し、AIを育てる環境を作る

鎌田
鎌田

AIコンタクトセンターのプロジェクトが大きく前進するきっかけになったのは、現場への導入検証を進めるなかで、マニュアルには書かれていない「暗黙知」の重要性に気づいたことでした。ある現場でマニュアルやルールに沿った要件定義を行い、その要件を満たすAIシステムを構築したのですが、いざ運用を始めると現場のオペレーターやSV(スーパーバイザー)たちにとって使いづらく、修正に手作業が発生し、かえって時間がかかるという事態が発生しました。理由はAIへの抵抗感ではなく、現場のオペレーターやSVが日々の応対のなかで実践している、お客様への細やかな配慮や独自の対応ルールが大量にあったためです。こうした暗黙知は、表面的なヒアリングだけでは決して言葉になって出てきません。

表面的なルールだけで作ったAIでは、現場のプロが納得するクオリティには届かない。この気づきを経て、現場の運用や暗黙知を私たちが丁寧に紐解きながらシステムへ反映するアプローチに切り替えました。この転換が、AIコンタクトセンター構想を大きく前進させるきっかけになったと感じています。

鎌田
鎌田

この暗黙知をAIやシステムに反映するため、「完成したシステムを納品する」という従来のアプローチを大きく転換し、「現場のメンバーが自分たちでAIをメンテナンスし、育てていける環境とノウハウを提供する」という形にシフトしました。具体的には、現場がAIの設定や知識データを直接更新できる範囲を明確にし、操作方法をレクチャーする形です。これにより、AIの出力精度が求める基準に達していない場合でも、自分たちの持つ暗黙知を反映させて、その場で柔軟に修正できるようになります。

この運用の仕組みを整えてから、その現場におけるAIの活用が飛躍的に向上しました。今では「相棒として使いやすい」という声が上がるだけでなく、他のプロジェクトからも「この体制で導入したい」という要望が寄せられるほどの評価になっています。

長田
長田

これは、現場でAIを「育てる」という概念への転換でした。いくら便利な技術やアプリがあっても、それを単に導入するだけでお客様企業のビジネスに深く刺さるサービスになるわけではありません。最も重要なことは、最前線の「現場感覚」です。センターに集まるありとあらゆるデータをテキスト化し、実際の運用現場でAIを育てていく。この「現場でAIを育てる」という確実なアプローチこそが、我々の目指す方向性そのものです。

AIコンタクトセンターが実現する「3つの変革価値」

長田
長田

私たちがAIコンタクトセンターを通じてお届けできる具体的な変革価値は、大きく分けて3つの軸で考えています。

1つめは、「コストの変革」です。
今後、私たちはより自律的に業務を遂行できる「AIエージェント」の活用を本格化させていきます。これにより、これまで人が対応せざるを得なかった有人依存型の業務領域を縮小し、コンタクトセンター運営における最大の課題であった、「採用・教育・定着」に関わる固定的コストを最適化できます。さらに、従来の席数契約では避けられなかった待機コストの問題に対しても、必要な時に必要なだけ動く「オンデマンド変動型」のコスト構造へのシフトが実現できるようになります。

2つめは、「顧客体験価値(CX)の変革」です。
AIエージェントの導入により、24時間365日のリアルタイム応対が当たり前になり、応対品質のバラつきや「待たせるストレス」のない環境が実現します。さらにその先では、センターに蓄積されたデータとWeb上の行動データを紐づけることで、一人ひとりに合わせたパーソナライズ対応が可能になることを見込んでいます。これにより、顧客にとってコンタクトセンターは、従来の「お問合せ窓口」から、「自分のことをよく知っている、いつでも頼れる相談の場」へと、体験そのものが劇的に変革していくと考えています。

そして3つめが、「コストセンターからプロフィットセンターへの変革」です。
コンタクトセンターに集まる膨大な音声データをすべてテキスト化し、AIに学習させることで、顧客の潜在的ニーズの把握や、解約予兆の検知が極めて高い精度で行えるようになります。オペレーターが単にお問合せに答えて終わりではなく、AIからのリアルタイムなアシストを受けながら、解約を未然に防ぐアプローチや、顧客に最適な提案(アップセル・クロスセル)を行い、商品やサービス改善へのフィードバックにつなげていく。これにより、コンタクトセンターは「コストがかかる場所」から「投資する価値がある場所」として、明確な投資価値を示すことができるようになります。

このような3つの変革を実務レベルで形にできるのは、当社が「AI・DX・BPO」という3つのノウハウを組み合わせ、現場に即した形で実装できるからです。それぞれを単独で提供するのではなく、実際の業務に併せて最適に統合し、継続的に改善していく――その実行力が当社の強みです。その強みに当社の持つKDDIや三井物産というグループのシナジーも掛け合わせながら、次のコンタクトセンターの基盤となるサービスを作り上げ、「Total CX² Design Company」として新たな価値を市場へ届けてまいります。