生成AIの進化や人手不足の深刻化を背景に、企業の現場では「業務の整理と効率化」が重要なテーマとなっています。しかし、業務のブラックボックス化や属人化、実行リソースの不足などにより、変革が進まないケースも少なくありません。
こうした課題に対し、アルティウスリンクでは、「Total CX² Design Company」というビジョンのもと、現場の課題解決を通じた企業変革(CX)を支援しています。
その実現に向けた取り組みの一つが「業務の可視化(As-Is)から運用設計(To-Be)、さらに実行支援までを一気通貫で行う『実行支援型コンサルティング』」です。コンタクトセンター領域にとどまらず、バックオフィスやコーポレート業務など、さまざまな業務領域における課題を構造的に捉え、AI活用やアウトソーシングを見据えた運用設計まで実現できる点が大きな特徴の一つです。
本記事では、現場で起きている課題や、これから求められるコンサルティングのあり方について、コンサルティング推進部で現場支援を担う中里に話を聞きました。
- AI時代に求められる「業務の可視化」と、コンサルティングの役割
- 現場を起点にすることで「机上論に終わらない運用設計」を実現
- 本質課題を捉え、最適な解決策へ導くアプローチ
- 強みは、数値とプロセスに基づく現場発の改善力
- AI導入で終わらせない。現場に最適な運用を描くパートナーへ
サービス統括本部DX推進本部 コンサルティング推進部 オペレーションデザイン3ユニット ユニット長
中里 幸司
コンタクトセンターの運用部門でキャリアを開始し、実務・マネジメント業務に約9年従事。2019年からコンサルティング部門に転じ、コンタクトセンター・バックオフィス領域のデジタルシフトの推進やセンターの立ち上げ・業務改善を担う。現在は、さまざまな領域の業務設計から運用設計まで一貫した支援を行っている。
AI時代に求められる「業務の可視化」と、コンサルティングの役割
私たちのコンサルティングは、コンタクトセンター領域に限らず、バックオフィスやコーポレート業務、各種事務処理など、幅広い業務領域を対象としています。支援の起点となるのは、お客様の業務を細かく分解・整理し、現状を可視化することです。その上で、あるべき姿である「To-Be」を設計し、実際の現場で機能する運用へと落とし込んでいきます。このように課題の可視化から運用設計、実行支援までを一気通貫で担えることが、私たちのコンサルティングの特長です。
実際にご相談いただく中で多くの企業に共通しているのが、「自社の業務プロセスが整理できていない」「属人化していて全体像が見えない」といった課題です。他にも、「課題感はあるものの、どこから手をつければいいかわからない」「実行するためのリソースもない」といったお悩みも多く、そうした企業に対して、まず現状を整理するところからご支援しています。
最近は、生成AIの急速な普及の影響もあり、「AIを活用したい」というニーズが非常に増えています。実際には「何をAIに任せるべきか」という切り分けを含め社内に活用するための知見がないことも多く、そうした背景からご相談をいただくケースが増えています。一般的なコンタクトセンターに関するご相談だけでなく、バックオフィスや人事・経理・購買などのコーポレート運営業務に関するお悩みも多くいただくようになりました。
さらに、人手不足という社会的な背景もあり、これから企業が多くの社員を抱え続けることが難しくなっていくと考えられます。こうした状況の中で、「どこを効率化し、どこを外部に任せるべきか」を整理する重要性が高まっています。その課題を解消する選択肢の一つとして、私たちのような外部への委託(アウトソーシング)をご検討いただくケースが増えていると感じています。
現場を起点にすることで「机上論に終わらない運用設計」を実現
業務を分解・整理し、運用設計へと進めるプロセスとして、基本的には、まず企業がお持ちのデータや資料を確認し、現状を把握するところからスタートします。その上で私たちが必ず行うのが、実際に現地へ足を運び「現場で何が起きているのか」自分たちの目でしっかりと見極めることです。資料だけをもとにした設計では、実態と乖離した提案になってしまう可能性があります。そのため私たちは、現状(As-Is)の可視化や分析において、「実際に現場を見に行く」というステップを、最も重視しています。
例えば、大手企業の購買関連業務に関するご相談では、特定のスタッフに業務が集中してしまい実務における判断基準がその方の中に蓄積されている、いわゆる「暗黙知」の状態になっていました。そこで私たちは、まず現場を正しく理解するための実態把握「As-Isの可視化」を行い、ブラックボックス化していた判断基準や業務フローを一つひとつルールとして整備していくというアプローチを取りました。このように現状をしっかりと調べ上げ、見極めた後に、あるべき姿である「To-Be」を描いていきます。

企業のお悩みやご要望は、「顧客満足度を上げたい」「コストを下げたい」など、企業の課題や戦略によって本当にさまざまです。私たちはその個々の目的に応じて、どのようなシステムやサービスが最適なのか、あるいはどのような導線や業務フローが必要なのかという、グランドデザインを描いていきます。ただし、それは私たちコンサル部門だけで完結できるものではありません。必要なサービスやテクノロジーに詳しい社内のIT部門や、実際の現場運用を理解している部門ともしっかり連携しながら、一緒に設計を進めていきます。そうすることで、机上の提案ではなく、実際の現場に即した運用を実現できる。それこそが、私たちの会社の強みです。
「現場を見ること」を重視しているとはいえ、運用やサービス開始前で、現場や過去データが存在しない案件もあります。例えば、コンタクトセンター立ち上げの場合、「お客様からどのようなお問合せが来るのか」という想定を起点に課題を洗い出し、そこから運用の分岐点や判断ポイント、必要なルールを整理します。
このプロセスの中で最も大切にしているのは、「実際に現場で対応するオペレーターが困らない状態を作ること」です。お客様のお困りごとを確実に解決できる環境構築のために、妥協できない条件だと考えています。実際のお客様のお困りごとをしっかりと想像しながら、オペレーターの目線を軸に、対応の解像度を上げて洗い出すことで、業務に必要なルールや判断軸を実務レベルで整理していく。そうすることで、運用の骨組みをより精度高く構築することができます。
このように、その後の運用を見据えながらお客様企業と一緒に設計を進めています。新サービスであっても、ローンチ後の具体的なイメージを持っていただきやすくなり、スムーズに安定稼働に移行できる点も、私たちが提供できる価値のひとつです。
本質課題を捉え、最適な解決策へ導くアプローチ
特に大切にしているのは、お客様企業が感じている課題を出発点にしながら、その背景や構造まで丁寧に捉えることです。課題として見えているものの中には複数の要因が隠れていることが多く、表面化している課題だけでは、本質的な改善につながらないケースもあります。だからこそ私たちは、実際の現場を見ながら、「なぜこの業務が発生しているのか」「なぜその判断が必要とされているのか」と、常に頭の中でクエスチョンを持ち、そこにある「根本の原因が何か」見極めることを、何よりも大切にしています。
実際にこんなケースがありました。ある消費者向けサービスを提供しているお客様企業から、「受注処理や問合せ対応などの顧客対応業務をデジタル化し、省力化・効率化したい」とご相談をいただきました。しかし、実際に私たちが現場に入り、過去データや実際のお客様の利用動向を分析していくと、その商品を購入されている中心顧客層は、デジタルによる導線よりも、「電話などのアナログな対応による安心感」を強く求めていることが見えてきました。

もちろん、ご要望通りにデジタル化を提案すれば、ビジネスとしては今回の目的を達成できたかもしれません。しかし、現場のデータを調べれば調べるほど、お客様企業の「デジタル化したい」という思いと、実際のお客様のニーズとの間には、大きな乖離がありました。コンサルタントとして心苦しく、ある種の葛藤を伴う辛い局面でもありましたが、だからこそ「現時点でのデジタル化は、必ずしも最適ではない」ということをお伝えし、その上で将来的な顧客層の変化を見据えながら、段階的にデジタル化を進めていくという、中長期的なロードマップをご提案しました。
表面的なご要望をそのまま形にするのではなく、お客様企業の事業の未来と、その先にいるお客様の利益まで見据えて提案する。それこそが、私たちのコンサルティングが大切にしている誠実さです。
強みは、数値とプロセスに基づく現場発の改善力
私たちの会社は国内最大級のコンタクトセンターリソースがあり、各現場では日々さまざまなKPIと向き合い、管理しています。その現場を経験したうえで感じるのは、「コンタクトセンターほど、数値や業務プロセスがここまで細かく可視化・管理されている現場は、他にあまりない」ということです。これは、コンサルティング領域に限らない、私たちの強みのひとつです。コンタクトセンターでは、処理速度や品質、応対内容などあらゆるものが可視化され、マネジメントの型がしっかりとでき上がっているため、「どこに無駄があるのか」「どこを改善できるのか」を、構造的に捉える文化が根付いています。このコンタクトセンターで培ったマネジメントや運用改善の考え方を他の業務に応用することで、「実は不要だった業務」や「もっとシンプルにできるフロー」が見えてくるケースも少なくありません。こうした考え方が根底にあるからこそ、他の領域でも実効性の高い改善を実現できるのだと考えています。
さらに、会社としては「ご提案から実際の実行支援までを、一気通貫でお引き受けできる」という点も、大きな強みです。私たちのコンサルティング部門には、多様な業界の現場で実務経験を積んだメンバーが集まっており、実際の運用を深く理解したメンバーがコンサルティングを行っています。そうしたメンバーが他部門と連携しながら、「実際の現場を意識した運用設計」から「実行支援」までを一気通貫でご提案できるところが、アルティウスリンクの強みの一つです。
AI導入で終わらせない。現場に最適な運用を描くパートナーへ
今の大きなトレンドとして、多くの企業が「人が担うべき領域」と「AIを活用すべき領域」の最適な線引きに悩まれていると感じています。私たちの分野でも、いち早くAIを導入したもののうまく機能しなかったという話や、逆にリスクから慎重になるあまり導入に踏み切れていないというケースをよく耳にします。だからこそ重要なのは、単純にAIを導入することではなく、「どこにAIを活用し、どこに人の価値を残すべきか」を、実務レベルで整理していくことです。そこを現場視点で整理し、具体的な運用まで落とし込めることが、私たちコンサルティング推進部の役割であり、このAI時代にご提供できる価値だと考えています。
私たちは、お客様企業にとって「気軽に相談できる、最も身近な存在」でありたいと考えています。「これって相談していいのかな」と迷うようなことでも、まずはお話しいただければ、現状を可視化し、整理しながら一緒に考えることができます。現場を知るプロだからこそ、まだ気づかれていない領域の課題や可能性に気づき、最適な形を描いていくことができます。いろいろとご相談をいただきながら、より良い業務の未来を一緒に描いていきたいと思います。
