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Total CX² Design

「Total CX² Design Company」とは?CX変革に挑むアルティウスリンクのビジョン

  • 企業課題解決

アルティウスリンク株式会社が掲げる新たなビジョンステートメント「Total CX² Design Company」。この言葉には、同社が次なる成長に向けた「新たな旗印」となる思いが込められています。

この「Total CX² Design Company」とは、一体どんなビジョンなのでしょうか。そこに込められた思いや具現化するための「5領域」構想、実現に向けた取り組みについて、社長の那谷とサービス統括本部長の藤原に話を聞きました。

那谷 雅敏のプロフィール画像

代表取締役社長

那谷 雅敏

1987年、DDI(現KDDI株式会社)入社。法人向けソリューション営業や事業企画に従事し、KDDI株式会社にて執行役員常務を務めるなど、法人事業およびDX領域の成長を牽引。2025年10月よりアルティウスリンク株式会社代表取締役社長に就任。人とデジタルの融合による価値創出を軸に、BPO事業の高度化と顧客体験価値の向上に取り組む。

藤原 昌也のプロフィール画像

取締役執行役員 CDO サービス統括本部長

藤原 昌也

1999年、KDD(現KDDI株式会社)に入社し、主に法人事業向けのネットワークやクラウドの商品企画および販売企画に従事。2025年よりアルティウスリンクのサービス統括責任者として、BPO領域におけるAI時代に向けたビジネス・商品・運用の企画を推進。

現場との対話から始まった新ビジョンと「2つのCX」に込めた思い

那谷
那谷

「Total CX² Design Company」は、社員みんなが同じ目線を持ち、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)と企業変革(コーポレートトランスフォーメーション)という2つの「CX」を合わせて推進する会社にしたい、という思いから掲げた、私たちの新たなビジョンです。

すべての始まりは、2025年10月の社長就任後に、全国各地の現場を回った時のことでした。改めて、会社の目指すべき姿を検討している中で、現地の社員に「うちの会社って何をする会社だと思う?」と質問したところ、返ってきた答えは「BPOの会社です」「コンタクトセンターの会社です」「お客様の電話を取っている会社です」……など、さまざまでした。2023年の経営統合以降、会社としての目線が社員一人ひとりの中で統一されていないという課題に直面したのです。

その後、定期的に開いているリーダー層との対話の場で、会社の目指すべき姿について議論を重ねる中、参加メンバーから挙がった「CXカンパニー」という言葉が大きなヒントになりました。顧客体験の向上だけでなく、CXに含まれるもう一つの意味、コーポレートトランスフォーメーション(企業変革)を掛け合わせることで、より大きな価値を生み出せる会社になれるのではないか。労働者人口の減少という深刻な社会的課題に直面する日本において、この2つは切り離すことができない両輪です。その2つを足し算で積み上げるのではなく、二乗にすることで4倍、さらにはそれ以上の価値を生み出していきたい――。そういう思いを込め、「Total CX² Design Company」というビジョンを掲げました。

藤原
藤原

その背景には、コンタクトセンターやBPO市場そのものが転換期を迎えていることがあります。従来の人手を中心とした対応から、顧客接点や業務全体を横断した価値提供へと役割が広がる中で、企業からも「コンタクトセンター領域にとどまらず、業務全体を支援してほしい」というお声をいただくようになっていました。ITの進化により業務同士のつながりが可視化された今、対応領域を広げていくことが、お客様にとっての価値向上につながる重要な機会と捉えています。

那谷
那谷

そうした市場の背景と、お客様からの期待に全方位で応えたいという思いから、現在の事業を「5つの事業領域」に分け、ビジョンストラテジーマップを再定義しました。個別のサービス提供にとどまるのではなく、部門や機能の枠を超えて一体となった「ワンアルティウスリンク」の体制でお客様の課題に包括的に応えていく。そのための経営の意思として「Total CX² Design Company」というビジョンを明確に打ち出しています。

時代が変わってもぶれない「価値創出の軸」としての5つの事業領域

那谷
那谷

「Total CX² Design Company」を具現化するにあたり、事業を5領域に分割・定義しましたが、ここで重要なのは、これらを単なる「サービスライン」ではなく、時代が変わってもぶれない「価値創出の軸」として位置づけている点です。生成AIをはじめとするテクノロジーの進化スピードはあまりにも速く、今日新しかったサービスが、明日には陳腐化する可能性すらあります。そのため、サービスという形で固定的な定義をしてしまうと、テクノロジーの変遷に追いつけなくなってしまうことから、時代や技術によって中身が柔軟に移り変わることを前提とし、そのタイミングごとに最適なテクノロジーを活用していくための「動かない軸」が必要だと考えました。

この5領域の策定にあたっては、まず「お客様企業の顧客向け」である「For Customer」と、企業の事業運営を支える「コーポレート業務」である「For Corporate」という大きな枠組みを設定しました。さらに、企業活動における「利益創出(Profit)」と「コスト最適化(Cost)」の両面から、各領域がどの価値に寄与するのかを整理しています。

具体的な領域は、以下の5つです。お客様の需要に応じて作り上げた、企業活動そのもののバリューチェーンに沿った軸を「5領域」に定めました。

5つの事業領域の図
那谷
那谷

この5領域構想がもたらす最大の強みは、企業のバリューチェーンそのものを軸にしているからこそ、お客様企業との関係性をより深く、広く築いていけるという点です。たとえば、自治体から「パスポートのセンター業務だけを担ってほしい」といったご要望をいただいた場合、従来であれば、それは一つの受託業務(点)として完結していました。しかし、5領域の軸が明確になった今は、その業務を単なる点ではなく、新たな価値提供につながる「フック(足がかり)」として捉えています。一つの業務を高いクオリティで遂行し、信頼を積み重ねることで、その前後にある事務処理(BO)や、システムインフラ(IT)、さらには住民サービスの向上(CS)といった領域にも支援を広げていくことができるのです。点での受託に留まらず、面でお客様企業や自治体の全活動を支えるパートナーシップへと変革する。幅広くお客様を支えることができるこの考え方に、会社全体を変えていきたいと考えています。

現場の知見を活かすAIコンタクトセンターと、シェアードに向けた取り組み

藤原
藤原

新ビジョンの実現に向け、すでにさまざまな取り組みを始めています。具体的な取り組みとしては、まず新しいテクノロジー、特にAIの領域に積極的にチャレンジしています。その象徴となるのが、現在準備を進めている「AIコンタクトセンター」です。私たちはAIを単なる「チャットボットによる一次受けの自動化」といったパーツの活用に留めず、統合的な実装を目指しています。これまで人間が対応せざるを得なかった、文脈の理解が必要な複雑かつ高度な範囲まで、AIエージェントが人間に代わりシームレスにお客様対応を行う世界です。

そこでは、日常的な定型業務や大量の作業はAIが処理し、人間はよりクリエイティブでエモーショナルな対応に集中できるようになります。そうした運用を実現するためには、単にAIを導入するだけでなく、現在のセンター運用の中で「人が担うべき業務」と「AIに代替・支援させるべき業務」を、現場の実態を見極めながら業務設計する力が欠かせません。

私たちには、長年にわたりコンタクトセンターの実運用を担い、運用ノウハウを培ってきたからこそ得られた知見があります。業務の流れや応対品質はもちろん、マニュアルだけでは拾いきれない現場の泥臭い面まで理解しているからこそ、AIにどのような知識や判断を学習させれば、人間以上の対応ができるのかを熟知しています。

こうした現場知見をより大きな価値につなげていくうえで、テクノロジーの進化を柔軟に取り入れる姿勢も欠かせません。現在はテクノロジーの進化が速いため、自社でカバーできない部分は外部の優れた技術も柔軟に取り入れながら、そこで得られた知見を蓄積・共有し、サービスとして仕組み化していくことも重要だと考えています。

その考え方のもと、昨年末頃から社内に向けて、「これまで人が一つひとつ対応していた業務を、AIも活用しながら再設計し、現場の強みをしっかりと埋め込んだサービスを、みんなと一緒に作っていきたい」というメッセージを発信し続けてきました。その結果、現場からも自発的にサービスのアイデアが挙がるようになり、「全員で作って全員で価値を届ける」という動きが、今まさに会社全体へ広がり始めています。

那谷
那谷

そうしたサービス開発と並行してこれからさらに強化していきたいのが、これまでの「個別最適」から「シェアード(共同利用型)サービス」への変革です。これまで私たちは6,000以上の業務を、会社や業務ごとにセンターや人員を分ける「個別最適」で支えてきましたが、それではどうしても運営構造が分断されるため、コストメリットをお客様企業へ十分に提供しきれないという課題がありました。

しかし、類似する共通業務を一つのプラットフォームに集約し、AIと組み合わせれば、24時間365日対応のシェアードサービスとして、複数のお客様企業に同時に提供できるようになります。私たちが培ってきた膨大な業務アセットをそのように最適化し、株主である三井物産とKDDIが持つネットワークも活用しながら、より多くのお客様企業に価値を届けていくことが、今見据えている大きな戦略です。

また、AI活用や業務のデジタル化を進めるうえで欠かせないのが「安心・安全」の確保です。私たちは、お客様企業の機密性の高いデータを扱う立場として、データの保管場所や管理方法、アクセス権限や暗号化まで含めた体制づくりを重視しています。

その中で重要になるのが、データを国内の安全なローカル環境内で保管・管理し、適切にコントロールする「ソブリン(データ主権)」の考え方です。国内ローカル環境を前提とした「データの置き場所」、厳格なアクセス権限と暗号化に基づく「秘匿性の高さ」、そして外部からの攻撃に備える「堅牢なサイバーセキュリティ」という3つの要素を満たせるよう、グループのIT・セキュリティ領域のアセットも最大限活用しながら、お客様が安心して業務を任せられるデジタルBPOサービスのインフラを構築していきます。

「全員で作り、全員で届ける」ための組織変革

藤原
藤原

5つの領域に事業を分割した際、どうしても「組織の縦割り化」という懸念がありました。そこで、5領域を有機的に結合するための架け橋として、新たに「サービス統括本部」を新設しました。2026年4月に誕生したこの組織を中心とし、全領域を横断・連携する全体最適と、シナジー創出の役割を担っています。

そのシナジーを具現化する仕組みとして、定期的に「サービス戦略会議」というオープンな議論の場を開催しています。ある領域で開発された新しいAI技術やサービスメニューが、他の領域でも応用できないか、他のお客様企業にも横展開して届けることができないかなど、5領域のトップ全員が揃って徹底的に議論します。ここで承認を得たサービスは、一つの領域の商品ではなく、全社を挙げた共通の武器となります。優れた仕組みを全員で共有し、全員でお客様企業に届けていく。この一連の取り組みこそが、私たちの推進力を高める大きな原動力です。

藤原
藤原

5領域を定めたことにより、組織での働き方やサービス展開にも、徐々に変化や効果が生まれ始めています。これまで、各領域が混在した事業体になっていましたが、今年度から事業を5領域に分けたことで、それぞれの責任が明確になり、「自分たちの領域のプロフェッショナルになっていく」という感覚が現場に出てきたと感じています。

何より大きかったのは、責任だけでなく権限も持つ体制になったことです。自分たちで考え、自分たちで動くようになったことで、この1か月だけを見ても、スピード感や責任感が明らかに高まりました。また、個別最適ではなく、「お客様に共通の価値を提供していこう」という考え方が、各事業から自発的に出てくるようになり、共通化やメニュー化の提案も活発になっています。縦割りになることで自分たちの領域だけを考える組織になるのでは、という懸念もありましたが、「コンタクトセンターで使っているこの技術はITでも使えるのではないか」というように、領域を超えた連携への意識や行動が、動き始めています。

テクノロジーを活かし、企業を支え、人の可能性を広げる会社へ

藤原
藤原

私たちの最大の強みは、お客様に寄り添い、ご要望をしっかりと汲み取る力があることです。今後はその強みをベースにしながら、AIも活用し、お客様企業の業務そのものを変革するような「新しい価値提案」も進めていきたいと考えています。これまでの受託型の安定した運用に甘んじることなく、より良いものを共創パートナーとして提案していく。そのためには、成功事例はもちろん、失敗から学ぶ姿勢も大切にしながら、進んで変革を提案できるマインドを組織全体で育んでいきたいと思っています。

那谷
那谷

これは現場にとっても非常に大きな挑戦です。日々忙しく目の前の業務に向き合う中で、その経験を他の業務やサービスへ活かしていこうと考えるのは、決して簡単なことではありません。だからこそ、この「人の変革」をトップとしてどう後押ししていくかが、私自身の大きなテーマとなっています。そのため、中期経営計画の方針を更新してから、全国の拠点を自ら回る「全国キャラバン」をスタートさせました。そこで現地の従業員に「皆さんは変われます。変わるための第一歩として、今日の帰り道のルートを1本だけ変えてみてください」と伝えました。

仕事でいきなり「変われ」と言われても難しいですが、日常生活の中で「自分で自分を変えることができる」という小さな発見や成功体験を積むことこそが、仕事のやり方を変える原動力になるはずだと考えているからです。トップが無理に変えるのではなく、従業員自身が主役となって変わっていく。私自身も含め、全員で変化を楽しみながら、それぞれの立ち位置で主体的に動ける組織への変革を、従業員のみんなと共に成し遂げたいと考えています。

那谷
那谷

私たちが5領域構想と「ワンアルティウスリンク」の精神の先に描いているのは、単なる業務の受託先ではなく、お客様企業と伴走し、持続的な事業成長を支えるパートナーになることです。そのためには、お客様企業の業務を知ることはもちろん、その先にある「お客様企業の顧客」の思考までしっかりと理解することで、顧客の生の声が集まる場所から、お客様企業の戦略そのもの(コア業務)に深く貢献できる存在になれると考えています。デジタルとAIという強力なツールを手に入れたいま、これまで紙や個人の経験の中に埋もれていた大量のデータが可視化され、より高度なコア部分での価値提案が現実のものとなってきました。

そして同時に、私たちはデジタルの力だけを重視する会社ではありません。どれほどデジタル化が進み、AIが人間の業務を代替するようになっても、アルティウスリンクにはもう一つのコアがあります。「人の力」です。

過去に、あるお客様企業の事業がセキュリティトラブルで止まってしまい、デジタルな処理が一切機能しなくなった中、現場を救ったのは、当社が誇る「人」でした。全社に緊急の協力を呼びかけ、人の手と人の声によって、お客様企業の事業継続を支え抜きました。

日常業務は「テクノロジーやAI」で効率化し、いざという時は「人で助ける」。そんな会社でありたいと思っていますし、それがアルティウスリンクという会社の最大の魅力であり、強みだと思っています。この強みを国内だけに留めず、海外の約1万3,000人の仲間、そしてグループ総勢5万3,000人のグローバルなアセット(資産)を駆使し、世界中のお客様企業の持続的な成長に寄り添う存在になっていきたいと考えています。

ビジョンの実現には、従業員の力が不可欠で、一人ひとりが自分らしく活躍できる職場であることが重要です。お客様企業の成長を支え、働く仲間の挑戦も支える。アルティウスリンクは、人とテクノロジーの可能性を最大限にデザインし、まだ見ぬ持続可能な未来へ向かって歩みを進める「Total CX² Design Company」を、みんなと共に創り上げてまいります。