自己紹介
WEBエンジニアとしての経験に加え、AWSインフラの設計構築や、
チーム管理も担当してきたSEのMです。
はじめに
私はこれまでシステムエンジニア(SE)として多くの開発経験を積んできましたが、
このたびアルティウスリンクへ転職したことをきっかけに、より上流工程に関わる
業務を担当するようになりました。
入社後、生成AI活用に関する勉強会に参加する機会を得ました。今回の記事では、
私がこの勉強会で学んだ内容と、AIについて日々感じていることを組み合わせて、
1人のSEの視点から「AIとは何か」「従来のシステムと何が違うのか」といった点を
わかりやすくまとめてみたいと思います。
なお、本記事で取り扱う「AI」とは、生成AI(Generative AI)や、
大規模言語モデル(LLM)、ChatGPTをはじめとした各種AIサービスの総称を指します。
「従来のシステム」と「AI」の違いに感じた違和感
私がこれまで携わってきた従来のシステムは、基本的に厳密な入力ルールに基づいて動作していました。
たとえば、郵便番号の入力欄に7桁以外の数字を入力すると、即座に「エラー」と表示されるようなものです。
しかし、生成AIとの対話では、そのような「エラー」は発生しません。曖昧な質問や不完全な入力であっても、
る程度「理解」したうえで、自然な返答を返してくれるのです。しかも、場合によっては質問者の意図を
推測し、次に取るべきアクションや関連情報の提案まで行ってくれることもあります。
この挙動に最初は驚きつつも、次のような疑問が湧きました。
> 「この違いは、いったいどこから生まれるのだろう?」
システムは決定論、AIは確率論に基づいて動作する
従来のシステムは、「明確なルール(ロジック)」に従って処理される決定論的な仕組みとなります。
たとえば、「郵便番号が7桁でなければエラーとする」といったルールに従って、
常に同じ入力に対して同じ出力を返します。
一方、生成AIやLLMは、「大量の学習データ」をもとに、最も自然な出力を確率的に“予測”する仕組みです。
たとえば、文章の続きを考えるとき、「次に来る単語の確率」を計算して最も自然な語句を選んで出力します。
これは、あたかも連想ゲームのような感覚であり、決して固定的ではなく、文脈や表現の曖昧さも柔軟に
受け止められることが特徴です。
AIが曖昧さを扱える3つの理由
では、なぜAIは曖昧な入力に対応できるのでしょうか。
その理由は、主に以下の3つに集約されます:
1. 大量のデータからパターンを学習していること
2. 確率的な推論が可能なこと
3. 連続値(ベクトル)による処理
これらの特性により、生成AIは明確な指示がなくても自然な回答を導き出すことが可能になっているのです。
曖昧さが許容されることで生まれる価値
人間の言語は本来、非常に曖昧です。
「ちょっと」「まあまあ」「いい感じ」など、数値では表せない感覚的な表現が日常的に使われています。
AIがこの曖昧さを理解し、処理できるようになったことで、私たちはシステムに対しても、
より人間らしい対話や柔軟なやり取りを期待できるようになりました。
たとえば、社内の問い合わせ対応にAIを導入した場合、
「〇〇ってどういう意味ですか?」といったざっくりとした質問にも、
過去の文脈や資料をもとに、文脈に合った回答を提示することが可能になります。
これは、従来のFAQシステムやルールベースのチャットボットでは対応が難しかった領域です。
まとめ|曖昧さを恐れず、AIと向き合う時代へ
AIが曖昧さを扱えるのは、「0と1の世界」から脱却し、確率とパターンによって情報を
理解しようとしているからです。これは、人間の思考に非常に近いアプローチとも言えるでしょう。
従来の「決まった入力に対して決まった出力を返す」という枠を超え、曖昧さを許容したうえで
より自然なコミュニケーションを目指す。これこそが、今後のAI活用において重要な視点です。
最後に
SEとしてシステム開発に携わってきた立場から見ると、AIはもはや「単なる技術」ではなく、
「新たな設計思想」としての価値を持ち始めています。
今後は、AIと共存するための柔軟な設計や活用方法が求められようにかもしれません。



