アルティウスリンクでは、新入社員研修の一環として、宮城県東松島市にある「幸満つる 野蒜農園(さちみつる のびるのうえん)」で宿泊研修を実施しています。今年度は配属から数か月後の9月に開催され、それぞれの部署で経験を重ねてきた同期が再会。野蒜農園での宿泊研修を通じて、多様な働き方や価値観への理解を深めると共に、自身の仕事への向き合い方を改めて考える機会になりました。
< 5グループに分かれ、それぞれの日程で宿泊研修を実施 >
■ 野蒜農園の取り組みと東松島の復興を学ぶ
野蒜農園は、東日本大震災の大津波により大きな被害を受けた東松島市の復興と、農業を通じた地域の雇用創出や地方創生を目的に2017年に開設されました。地元の障がいのある方やアクティブシニアの方を社員として迎え入れ、年間40品目以上の農作物を栽培。IoTやAIを用いたスマート農業を導入することで、収穫量と品質の向上を図るだけでなく、誰もが働きやすい環境づくりにもテクノロジーを役立てています。
また、農作物を栽培するだけでなく、収穫した野菜の販売や地域イベントの開催、企業研修の受け入れなどを通じて多くの人との交流があることも野蒜農園の特徴の一つです。社員一人ひとりの個性を尊重し、やりがいを感じて笑顔で活躍できる職場づくりを大切にしています。
野蒜農園での体験を前に、BPO企業である当社が、どのような目的から野蒜農園を開設するに至り、どのように運営を行っているのか説明を聴き、取り組みへの理解を深めることができました。
< 開設の目的や事業内容、取り組みの工夫などを聴き、野蒜農園について理解を深めました >
事業説明後、新入社員は野蒜農園の近くにある「東松島市震災復興伝承館」を見学。
東日本大震災の被害記録と復興の歩みを後世に伝えるための同施設では、数々の展示パネルや震災遺構、記録映像を見ることができます。被災時刻を指して止まった時計や、津波で壊れた旧野蒜駅の券売機などが被害の様子を物語っています。
新入社員は真剣な面持ちで見学し、過去の教訓を胸に刻み、未来の災害に備えるための学びの時間となりました。
< 時計や券売機など震災遺構の数々/屋外はモニュメントが静かに佇んでいます >
■ 畝づくりから収穫、袋詰めまで!野蒜農園のスタッフとともに農作業を体験
研修2日目は農作業を体験。
宿泊研修は5つのグループに分かれ、異なる日程で実施しているため、定植する苗の種類や作業内容も少しずつ異なります。農園スタッフに教えてもらいながら、畝づくりや苗の定植、野菜の収穫などを行いました。
< 大人になってからのラジオ体操は意外とキツイ!? >
最初に参加したAグループは、整地と苗の定植を体験!
収穫が終わった畝からマルチシートをはがして整地を行いました。収穫後のカボチャの長いつるを片付けていると、つるの先には未収穫の小さなカボチャの姿が! 緑色のいかにもカボチャらしいカボチャから、レモンイエローのコロンとしたコリンキーというカボチャまで、いろいろな種類のカボチャがあります。野蒜農園でカボチャだけでも複数の品種を栽培していることに新入社員たちも驚いていました。
新しい畝には、冬の収穫に向けて寒玉キャベツの苗を定植。根と土をなじませるため、畝に空けた定植用の穴に水を注いでから、一つひとつ苗を植えます。苗を植えたら、「大きくなーれ」と願いを込めて、ジョーロで優しく液肥(水で薄めた肥料)をかけていきました。
< 収穫後の畝の片付け/小さなカボチャが残っていました/苗にやさしく液肥をかけます >
Bグループは、オクラの収穫と袋詰めを体験。
収穫のため畑に出た新入社員は、オクラの花の美しさにびっくり。ひときわ目を引く大輪の花は、淡いクリーム色の花びらは中央の赤紫色がアクセントになっており、優美さを感じさせます。
収穫したオクラはサイズを測って選別し、販売用にきれいに袋詰めします。少し曲がった形のものや規格外のサイズのものは別に集めてSDGs商品として販売し、無駄にしない工夫がなされています。
新入社員からは、「新鮮なオクラってこんなに産毛がびっしりなんだ!」「袋にきれいに並べて入れると一段と美味しそう~」といった声も上がり、普段経験することのない作業を楽しんでいました。
< オクラの花の美しさに感動しながら収穫作業/オクラを袋詰め >
Cグループは、リーフレタスの定植に挑戦!
初日は見事な青空が広がっていましたが、2日目の作業日はあいにくの雨模様。新入社員もレインコートを着て長靴を履いて畑に出ます。
農園スタッフから教わりながら、緑や赤が色鮮やかなリーフレタスの苗を一つひとつ定植。足元が悪い中での作業を通じて、農作業が天候の影響を受けることを実感した新入社員。リアルな現場の状況を知ることができ、「晴れ、曇り、雨をすべて体験できて、かえって良かった!」というポジティブな声も聞かれました。
< 初日は抜けるような青空が広がっていました/足元に気を付けながら苗を植えます >
Dグループは、前日に販売会を見学👀
宿泊研修の初日にJR仙台駅構内で販売会があり、Dグループは野蒜農園の野菜をどのように販売しているのか見学することができました。野蒜農園のスタッフが自ら店頭に立って接客しており、業務の幅広さを実感。
2日目の農作業では、畝を成型して、仙台白菜の苗を定植しました。自分たちが栽培にかかわった野菜がお客様の手に渡ることをイメージすると、作業にも一段と気持ちが入ります。
雨水が溜まったマルチシートの張り替えは大変でしたが、気持ちよく身体を動かすことができました。
< 前日に仙台駅で行われていた販売会を見学、野蒜農園のスタッフ自ら接客しています! >
< 新入社員のほとんどが鍬を持つのは初めての体験!/水の溜まったシートの片付けは少し大変でした >
最後の参加となったEグループは、冬に向けて春菊の苗を定植。
マルチシートを張った畝に苗を植えるための穴を棒で開けていきます。穴が浅すぎても深すぎても苗はうまく育ちません。農園スタッフのアドバイスのもと、ちょうど良い深さになるよう力加減を調整して穴を開けていきました。
今回植えるのは春菊の苗。野蒜農園では年間を通して野菜を収穫できるよう、計画して作物を栽培しています。新入社員が定植した春菊が収穫され、マルシェなどで販売されるのは冬が近づいたころ。まだ9月で暑さも残る時期でしたが、冬のお鍋を想像しながら定植をしました~🍲
< ハウスから苗を運搬/定植用に棒で穴を開けて、一つひとつ丁寧に植えていきます >
一泊二日の宿泊研修はあっという間に過ぎていきましたが、東松島の人と自然に触れた記憶に残る時間となったようです。夜には懇親会も行われ、配属後、それぞれの部署で経験を重ねてきた同期とのつながりを深める機会にもなりました。
< 野蒜スタッフと一緒に楽しくランチ♪/腕にカマキリがとまってびっくり!/隊列を組んで飛ぶブルーインパルス >
< 久しぶりの同期との再会に乾杯!/話したいことがあれこれ、どのテーブルも盛り上がりました >
■ 宿泊研修での学びを、自身の仕事につなげる
宿泊研修は、単に農作業を体験するためのものではありません。現地での体験を自身の仕事につなげていくために、個人ワークを実施。宿泊研修に先立ち、野蒜農園で働く人たちの仕事への向き合い方や想いについて事前ワークで仮説を立て、現地での交流を通じて検証するワークに取り組みました。
社員一人ひとりが現地での体験を通じて多くのことを学び、さまざまな意見があがりました。
① 一人ひとりの個性や強みを見ることの大切さ
- 障がいの有無に関わらず、一人ひとりが役割と責任を持って活躍していた
- 「できないのではないか」と決めつけず、その人自身を知ることが大切だと感じた
- 一人ひとりの特性を理解した上で、力を発揮できる役割を設けることが働きやすさにつながっていた
- 相手を知り、その人に合わせた関わり方を考えることが大切だと学んだ
② 働きやすい環境をつくるコミュニケーション
- 相手の話を否定せず、最後まで聞く姿勢が、安心して話せる関係づくりにつながっていた
- 何気ない会話や日常的な声掛けも、居心地の良い職場づくりにつながっていた
- 働く人の声を聞くためには、制度を整えるだけでなく、「何でも話しやすい関係性」が重要だと感じた
③ 働きがいにつながる工夫
- 販売会などでお客様と直接関わり、自分たちの仕事が社会や地域の役に立っていることを実感できることが、働きがいにつながっていた
- 一人ひとりの成果や努力を認め、朝礼などで周囲に共有する機会が設けられていた多品目の野菜づくりや販売活動など、さまざまなことに挑戦できる環境が整えられていた
研修前には、障がい者雇用を「働きやすい環境を整え、支援を行うこと」と捉えていた新入社員も、現地での体験を通じて、障がいの有無にかかわらず、多様な人がともに働く上で重要な共通点があることに気づいたようです。
新入社員からは、「相手を理解するためのコミュニケーションを大切にしたい」「一律の指示や評価ではなく、一人ひとりに寄り添ったマネジメントをしていきたい」「固定観念にとらわれず、広い視野で考えるようにしたい」といった意見があがりました。
野蒜農園での宿泊研修とワークを通じて、仕事への向き合い方について考えを深めた新入社員は、それぞれの職場で日々の業務に向き合いながら、今回の気づきを今後の仕事や周囲との関係づくりに生かしていきます。
< 同期とのつながりを大切にして、これからも皆でがんばろう! >
■「幸満つる 野蒜農園」の農作業体験、企業見学について
「幸満つる 野蒜農園」は、東日本大震災で大津波被害を受けた宮城県東松島市にある野蒜(のびる)にあります。「笑顔を大切に」をスローガンに掲げ、地元の障がいのある方々、アクティブシニアの方々を社員に迎え、被災跡地である野蒜の環境保全につながる農産物栽培をしています。また、販路開拓、地域活性化イベント開催、地元に根付く農業コミュニティ拠点活動、国内企業が取り組む復興支援・自然再生活動への参画、AIやIoTなどのテクノロジーでアプローチするアグリテックによる収量、品質、社員の健康と安全管理の向上に取り組んでいます。
「ノウフク連携の現場を見てみたい」「身体・知的・精神のさまざまな特性のある社員が一同に活躍できている職場は珍しい、工夫を知りたい」「企業での一般就労、正社員雇用について詳しく知りたい」というリクエストをいただき、これまでに50社以上の企業様が見学にお越しいただいています。
見学を検討されている場合には、ぜひご相談ください。(ご相談窓口:hms-saiyo@altius-link.com)
●アルティウスリンクは、豊かなコミュニケーション社会の実現を目指すSDGs活動として、障がい者雇用と地方創生を通じた東松島市の自然再生・まちづくりに取り組んでおります。



